阪神間の酒と文学

日 時 平成24年9月23日(日)
場 所 西宮中央図書館
講 師 河内厚朗氏(文化プロデューサー)
講 師 小西巧冶氏(西宮芦屋研究所)
 日本で初めて清酒が造られたのは伊丹の鴻池村だと言われて
おり、1600年のことだそうです。
 1603年に江戸幕府が開かれると、江戸は100万人都市となり、
かつ日本最大の消費の町になりました。
 江戸で人気の出た清酒を陸送することで成長を続けてきた伊丹ですが、やがて運送方法が海送に変わると、瀬戸内の灘や西宮等・阪神間のお酒が台頭してきます。
 その阪神間の名家のひとつである辰馬家が、収集されたお酒の出てくる文学作品をいくつか紹介していただきました。 それは・・・・・
 阿川弘之の『暗い波濤』では、戦場から九死に一生を得て帰ってきた中尉2人に上司の少佐が「取っときの白鹿だ。飲め、飲め。」が、また藤本義一の『掌の酒』では、「この辰馬家が造り継いでできた酒、白鷹は伊勢神宮の御料酒である。」が、そして舟橋聖一の『蜜蜂』では、中森が「いい酒だな」に対し、竜五が「はい、白鷹です」と応じている場面等があります。
 それから角田光代の『対岸の彼女』では、「酒は大関」とつぶやくシーンが作中にありました。
 (写真は、会場である西宮中央図書館の入口です。)