文学・歴史から学ぶ災害

日 時 平成24年9月24日(月)
場 所 芦屋市民センター
講 師 山内英正氏(甲陽学院高校)
 私達は17年前に阪神淡路大震災を、そして昨年は東日本大
震災を経験いたしました。
 世界からは日本人はパニックにならず、冷静な民族だとの評価
を得ているようですが、実際はそんなことはなく悲しみや苦しみを
内に仕舞い込んだだけなのです。
 古代人もまた自然の災害を蒙り、無常観を持っていたようです。
 万葉集巻十三に「高山と 海とこそば 山ながら かくも現しく 海ながら 然真ならめ 人は花ものそ うつせみ世人」(山も海も不変であるが、人は花のようにやがて散っていく)と、切なさを詠っています。
 ただ、だからと言って当時の政府は指をくわえて見ていただけではなく、たとえば天武天皇は676年にその詔で、「南淵山・細川山を禁めて、くさかり薪ること莫れ、又畿内の山野の、元より禁むる所の限りに、妄りに焼き折ること莫れ。」(日本書紀巻第二十九)とし、水害等を恐れて災害のため、都周辺はもとより近畿一円の山の木を切ることを禁止しています。
 現代では近く、南海・東南海地震や富士山の爆発等が懸念されていますが、歴史に学び今から自然災害への対策を急ぐ必要があります。
 また、それらを後世に伝えていくことも大切なことだと思われます。