源氏の故郷とその歴史

日 時 平成24年11月10日(土)
場 所 アステホール
講 師 田辺眞人氏(園田女子学園大学名誉教授)
 桓武天皇は794年に平安遷都を行いました。
 これは古代国家において大化改新のもと、律令制度が定着する
やに見えましたが、奈良末期にはこれらのゆるみが目立ち始めた
ため、これを正す意味も含まれていたようです。
 律令制度の根本は、「公地公民」「班田収授」「租庸調」でしたが、
ときの政府がさらに増税を目指して土地開墾を民に奨励いたしました。
 しかしその結果 豪族たちの私有地(荘園)が増え、豪族たちはそれを守ろうとして家人に武器を持たせて自警させました。
 これが武士の始まりで、やがてネットワーク化が進み、源氏・平家・その他に集約されていきました。
 このうち源氏は、清和天皇の孫にあたる経基を祖としており、彼は承平・天慶の乱において、瀬戸内の藤原純友を討伐したのがきっかけで名声を得ます。
 そして2代目・満仲が多田庄(現川西市)を拝領して経済力を高め、都に近いこともあって摂関家にコネを持って政治力も手にしていきました。
 源氏と言えば頼朝が鎌倉に幕府を開いたため、関東のイメージが強いのですが、もともとは多田庄・川西が源氏発祥の地なのです。(写真は川西駅前の満仲像です。)