家庭でできる真空調理

家庭でできる真空調理

下記に記事は引用文です。

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「真空調理法」とは、ヨーロッパのホテルで考案された調理法です。専用パックに下処理した食材と調味料を入れ、真空にして大型加熱器などで長時間過熱して、冷却・保存するものです。フランス新幹線(TGV)の食堂車で採用され、世界的に注目を集めました。

以前、私は東京で単身赴任生活を送っていた時期があります。朝早く自宅を出て、帰るのは夜遅く。疲れきっているので、帰宅後調理するのもおっくうです。外食中心の生活になりますが、飽きてきますし、栄養も偏ってしまいます。

そんなとき、思い出したのが「真空調理法」です。これを家庭でできないものかと目をつけたのが、電気炊飯器の利用です。スーパーで買い物をしたときもらってきたポリ袋(ロール状になって置いてあります)に食材と調味料を一緒に入れ、水に浸し、水圧で空気を抜き、研いだ米、分量の水と一緒に炊飯器に入れ、スイッチを押すと、ごはんが炊き上がるころには、見事なおかずもできていました。

簡単、安全、後片付けも楽々

あるとき、この方法を新聞で紹介したところ、読者の方から問い合わせが殺到しました。後でお聞きすると、その方々の約7割が介護をなさっている方とのことでした。私自身、実母が認知症だったこともあり、介護の大変さは理解しているつもりです。「介護に追われ、食事の準備もままならない。介護に気をとられ、鍋をこがしたことが何度もあります」といった声をお聞きして、なんとかこの「パウチクック」を皆さんに知っていただきたいと思うようになりました。

「パウチクック」の利点は、何よりも簡単なこと。手順どおりに行えば、だれにでもできます。そして安全。加熱中に熱源の近くにいる必要がありません。さらに、鍋や調理器具を使わないので、後片付けが簡単。加えて少ない量をつくるのが得意など、まさに介護をされている方にうってつけの調理法といえるでしょう。

「でも、ご飯は余っているので、おかずだけをつくりたい」。そんな方にお勧めするのが、電気ポットを利用した「パウチクック」です。原理は炊飯器と同じ。どうか、お試しになってください。

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川平式「パウチクック」の手順

1.お米を2合(電気炊飯器が5合炊きの場合)研いで、浸水させておく(スイッチは入れない)。

2.手順に従って、切った材料と調味液をポリ袋に入れる。

3.ポリ袋を水に浸し、水圧によって空気を抜く。

4.抜き終えたら、空気を入れないよう、しっかりとクルクルねじる。

5.ねじったポリ袋の上のほうを結ぶ。袋の根元のほうで結んでしまうと、熱で袋が破裂することがあるので注意。

6.肉類など、柔らかい食材は、ポリ袋に入れたまま平らにして、1. で用意した炊飯器の中に入れる(平らにして入れるのは、熱が均等に伝わるためと、袋が裂けるのを防ぐため)。

7.炊飯器のふたをして、お米を炊くときと同じようにスイッチを入れると、お米の炊きあがりとともに、おかずもできる。


試してみましょう、お勧めレシピ

ポテトグラタン(2人分)
材料 男爵イモ 大3個(角切り)
パルメザンチーズ 大さじ1
ベーコン 大さじ2(角切り)
塩・コショウ 適宜
ローリエ 少々
小麦粉 大さじ1
バター 大さじ1
牛乳 1.5カップ

つくりかた

1.男爵イモは皮をむき、1cm角に切る。ベーコンも同じように1cm角に切る。

2.切った 1. の男爵イモとベーコンをポリ袋に入れ、小麦粉・塩・コショウを加え、よく混ぜ合わせる。さらに、ローリエ、バター、牛乳を加え、混ぜ合わせる。

3.ポリ袋の空気をしっかりと抜き、結ぶ。

4.炊飯モードで加熱し、30分ほど保温モードで置き、ローリエを取り除く。

5.適当な器に盛り付け、好みでオーブントースターなどで焼き色を付ける。

サンマの生姜煮(2人分)

材料 サンマ 2尾(1/2にカット、水洗いする)

生姜 少々(千切り)
濃い口しょう油 大さじ2
酒 大さじ1
ミリン 大さじ1
砂糖 大さじ1/2
酢 大さじ1/2

つくりかた

1.ポリ袋にサンマ、生姜を入れ、すべての調味料を加え、空気を抜き、結ぶ。

2.炊飯モードで加熱し、30分ほど保温モードで置き、皿に盛る。
※骨まで柔らかくして食べたい場合は、加熱後半日ほど炊飯器の保温モードで据え置くとよい。

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※「圧力式炊飯器」をお使いの場合には、ポリ袋がフタの蒸気口をふさがないように充分ご注意ください。

また炊飯の途中でフタを開けないでください。内容物が飛び散ったり、火傷をするおそれがあります。