『漫才の歩みと魅力』

(%紫点%) 後期講座(文学・文芸コース)(9月〜1月:全11講義)の第9回講義の報告です。
・日時:12月20日(木)午後1時半〜3時40分
・場所:すばるホール(3階会議室) (富田林市)
・演題:「漫才の歩みと魅力」〜ビデオ鑑賞〜
・講師: 相羽 秋夫先生(演芸評論家)
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*前回(H24.5.31)「上方落語の魅力」の講義…落語の歴史、制度・東西落語の違いなどを学び、ビデオ鑑賞(約1時間)では、じっくりと落語を堪能(桂米朝「始末の極意」、桂春団治「皿屋敷」)。

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(%エンピツ%) 講義の内容
1.「笑い」と「お笑い」 …「お笑い=笑わせる人」
2.笑いの原理
・「誇張」(デフォルメ)と「逆説」(パラドックス)
3.マジメと不マジメと反マジメ
反マジメの芸
4.漫才の歴史
[萬歳 → 万才 → 漫才 → ? ]
○起源:尾張萬歳・三河萬歳
・鎌倉時代頃、仏教をわかりやすく説き、節をつけて教えたのがその起こり(法華経萬歳、浄土教萬歳)。
・新年の言祝ぐ(ことほぐ)の話芸として、全国で興り、漫才の元になった。(農閑期の出稼ぎ)
・家々の門や玄関先あたりで歌ったり踊ったりする門付け(かどづけ)が一般的であった。
太夫(たゆう)と才蔵(さいぞう)の2人が一組となるのが基本。(楽器は才蔵が持つ小鼓。太夫がツッコミ、才蔵がボケの役。)
5.漫才の種類
・音曲漫才(俗曲漫才、語り物漫才、歌謡漫才)、踊り漫才、しぐさ漫才(寸劇漫才、身振り漫才、仮装漫才)、しゃべくり漫才(掛け合い漫才、ぼやき漫才)
・現在は、ほとんどが“掛け合い漫才”
6.漫才の分担…「ボケ」と「ツッコミ」−“筋ふり“役は?
・ボケ(アホの役)、ツッコミ(かしこい役)で、筋ふり(話の進行役)はツッコミ。(しかし、実際には、ボケ役が進行役を担当する漫才師もある)

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(%CD%) ビデオ鑑賞(約50分)
・漫才の歴史といろいろな漫才をビデオで鑑賞
・話芸に引きこっまれ、あっという間の50分でした。

尾張萬歳
・現在:国指定重要無形民俗文化財
荒川キヨシ・小唄志津子 (俗曲漫才) …“あほだら教”
三人奴(市松笑顔・笑美子・塚本小やっこ) (語りもの漫才)
横山エンタツ・花菱アチャコ (近代漫才の父)
・有名な“早慶戦”
・ツッコミ役のアチャコは、面白いことは何も言わない。
横山やすし・西川きよし (現代漫才の父)
・ツッコミ役のきよしも、笑わせている。
・1980年代の漫才ブーム(やすし・きよしを筆頭に、B&B、ザ・ぼんち、ツービート(ビートたけし・きよし)などが活躍)。