アルツハイマー病の予防

アルツハイマー病の予防

「生活習慣病にならない食生活」

高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病にならないように注意することがアルツハイマー病の予防につながる。

アルツハイマー病は食生活や運動などと関係しているらしいという調査結果が次々と報告されている。

人種的にアルツハイマー病になりやすい遺伝的素因を多く持つアフリカ出身者を対象に、米国で行われた研究では、アフリカに住む人と米国在住者の発症率を比べたところ、米国在住者の方が2.5倍も高いことが判明し、発病には環境因子が関係していることが示された。

フィンランドで、平均21年間、住民を追跡した調査で、中年期に高血圧やコレステロール血症があると、老年期にアルツハイマー病になりやすいという結果が分かった。

ヨーロッパで1449人を20年に渡って追跡した研究によると、高血圧、高コレステロール、肥満などがあるとアルツハイマー病を中心とした認知症の危険度が増すことが分かった。

米国の研究で45才前後の人で内臓脂肪が多い人(ウエスト85cm以上)を追跡調査した結果、30年後には90%が認知症になったとの報告がある。

老化した脳の活性化に野菜が有用

アルツハイマー病(認知症)の予防には、食生活の改善(緑黄色野菜や魚を多く摂取し、腹八分目とし、カロリーは抑えめにする)ことが大切。

葉酸を豊富に含む葉菜や柑橘類を多く食べていた高齢男性は、加齢に伴う脳機能および記憶力の衰えが少ないことが分かった。

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葉酸料理のレシピ 下記のレシピぜひご覧になってくださいませ。

http://bio-kitchen.blog.so-net.ne.jp/

葉酸により脳の老化が遅くなる可能性が示唆された。例えば、葉酸を多く摂取していた男性では、食事による葉酸摂取量が少ない男性に比べて、言語能力の低下が少なかった。

また、さまざまな形および図柄を模写する能力(空間的模写として知られる能力)の低下が防止されていた。

葉酸はビタミンB群の一種で、ブロッコリーやホウレンソウなどの野菜や柑橘類に含まれる。葉酸はヒヨコマメ、インゲンマメ、イチゴ、グリーンピース、ロメインレタスにも多く含まれる。

葉酸を豊富に含む野菜および果物を摂取した男性では、加齢に伴う記憶力および思考力の低下が抑制されていると考えられた。

Kameプロジェクトが、1992〜1994年に、非認知症の人を登録し、2001年まで、2年毎に、認知機能を評価した結果では、週3回以上、野菜又は果物ジュースを飲んだ人たちは、アルツハイマー病の発症リスクが、76%低減する。

 アルツハイマー病の発症リスク(ハザード比)は、週1回未満したジュースを飲まなかった人たちに比し、週3回以上ジュースを飲んだ人たちは0.24、週1〜2回ジュースを飲んだ人たちは0.84だった。

ジュースを飲んだ人たちでも、特に、アポリポ蛋白質Eε4アレル保因者や、身体活動度が低い人たちで、ジュース飲用によるアルツハイマー病発症リスク低減効果が現れた。
 
 ジュース飲用によるアルツハイマー病発症リスク低減効果は、ジュースに含まれる抗酸化物質のポリフェノールが、神経保護作用を現す為と考えられている。

アルツハイマー病、魚や野菜の摂取が重要

オランダのロッテルダムで約2万人を2年半追跡し、食事とアルツハイマー病の関係を見た調査では、魚の摂取が発症の抑制因子になるとの結果が出た。

魚(サバ、サンマ、カツオ、イワシ、サケ、マグロ等)を週に1回以上食べる人は、ほとんど食べない人に比べて、アルツハイマー病の発症リスクが60%減少するとの研究報告がある。

魚の油に含まれるDHAドコサヘキサエン酸)が効果があるらしい。肉より魚(特にサバ、鰯やカツオなどの青魚や脂身の少ない魚)が良い。

最近の調査によると、認知症の患者さんは、魚と緑色野菜が嫌いで、肉好きが多い傾向があると分かった(自治医科大学神経内科の調査)。

つまりアルツハイマー病の患者さんでは、魚の摂取量が少なく、肉類の摂取が多い。すなわち認知症の予防には、食事中の肉を少なくし、魚と野菜を増やすと良い。

魚を食べている人はアルツハイマー病にかかる率が低い。

イギリスのオックスフオード大学のクロフォード教授が、日本人の子供が欧米人の子供に比べ知能が高い理由は、魚を多く食べてきたからであると発表し、世界に一大センセーションを起した。

魚の脂は、脳を活性化する作用があるが、一方、肉の脂をたくさんとると、脳の血流が悪くなり、神経細胞の細胞膜などにも障害が起こりやすくなるものと考えられる。