発酵食品

今から4、5千年前にアラビアの遊牧民がミルクを持って旅をしているときに、喉の渇きを癒すために何日かたったミルクを飲もうとしたところ、水筒のなかが透明な液体と白い固まりになっていました。

ためしに舐めてみたところ、酸味のある独特の旨さがありました。これが発酵食品の起源ではないかといわれています。

このように、もともとは偶然の産物であった発酵食品も、昔の人々の、長年にわたる人体実験によって育て上げられてきたといっても過言ではないかもしれません

なぜなら、多くの発酵食品に見られるとても強いニオイ、独特の味わいは、最初に口にいれる人にとってはとても勇気のいることではなかったでしょうか。科学的根拠などまったく分からない時代なのですから。

先人のいろいろな試行錯誤と創意工夫によってチーズやワイン、日本では鮨の原点といわれる鮒寿司や納豆、塩辛、漬物、味噌、醤油など多種多様な食品に生まれ変わり、

世界各国、各地域の食材、気候風土、民族性あるいは信仰などとも関わりをもちながら伝統的な食文化が作りあげられてきています。

今日の私たちの食生活では、知らず知らずのうちに発酵食品を口にしていますが、この「発酵」とはどのようなことをいうのでしょうか。

発酵には、顕微鏡でしか見ることのできない微生物が大きく関わっています。

微生物は、食材に含まれる澱粉や糖、タンパク質などを分解、合成し、新たな成分を作りあげてくれます。

この代謝活動が「発酵」で、これにより人間にとって有用な食べ物と変化したものが「発酵食品」です。

もっとわかりやすくいうと、微生物の力によって、もとの食材にはない美味しさや、有効成分を加えて栄養価を高くしたものが「発酵食品」です。

牛乳を乳酸機によって発酵させたチーズや、大豆を納豆菌によって発酵させた納豆などは、素材が本来もっていない風味と栄養成分を数多く含んでいます。

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