体が軽くなる! 春野菜のお弁当

体が軽くなる! 春野菜のお弁当
プレジデントFamily 2012年5月号
佐藤由香、坂本典子(シェルト*ゴ)=構成・スタイリング 上野敦=撮影
教える人:カノウユミコ(東京・祐天寺「菜懐石 仙」オーナーシェフ)

代謝が落ちた体を、旬の野菜で活性化! 春野菜をおいしく食べる調理のコツと、おいしくて健康的なベジタブル弁当のレシピを、記事の中から抜粋してご紹介します。

冬の間に代謝が落ち、すっかり体が重くなってしまったという人も多いはず。体をすっきりさせるためにも、ぜひ取り入れたいのが春野菜です。この季節に収穫される山菜や野菜は味わい深いだけでなく、ビタミンやカルシウム、繊維質も豊富。

さらに独特の苦みは、代謝が落ちた体から毒素を排出してくれる働きがあり、デトックス効果もバツグンです。
お弁当に使うときは、じっくり蒸し煮にして野菜の甘みを引き出したり、油を使ってコクを出すのがコツ。クセを上手にやわらげて、季節に適応する体づくりを応援しましょう。

春野菜をおいしく食べる調理のコツ

1. 厚手の鍋で蒸し煮にすると野菜の甘みが濃厚に
少量の水を加え、弱火でじっくり加熱すると、野菜の甘みを十分に引き出せる。鍋は、ふたがしっかりしまり、無水調理ができる厚手のものが理想的。

2. 天日塩で素材のうま味を引き出す
野菜を蒸し煮にするときは、少量の塩を加えることでさらに甘みがアップする。精製塩、岩塩より、海水の甘みやうま味が含まれている天然塩がおすすめ。

3. 細かく刻むと野菜のクセが抜けて食べやすい
みじん切り、せん切りなど、細かく切るとクセがほどよく抜け、ほかの食材とも合わせやすい。短時間で火が通り、味がしみやすいので忙しい朝も助かる。

4. アクの強いたけのこや山菜は下処理をていねいに
この季節に収穫される野菜の中でも、たけのこや一部の山菜はアクが強いので、調理前に下処理をすることが大切。特にわらびは体に害を及ぼす成分を含んでいるので、重曹水などに漬け、ひと晩かけてアク抜きを。

◆たけのこのゆで方◆

皮ごと穂先を切り落とし、皮に切り目を縦に入れる。米ぬかひとつかみと赤唐辛子1本とともに鍋に入れ、ひたひたの水を加えて、火にかける。沸騰したら弱火にし、40〜50分(大きさによる)ほどゆでる。

◆ふきのゆで方◆

ふきは塩をまぶして板ずりし、洗う。鍋に湯を沸かしてふきを入れ、軟らかくなるまで4〜5分ほどゆでて水にとる。

お弁当におすすめの春野菜

春が旬の野菜は栄養価が高く、季節感も満点。緑黄色が多いので、お弁当の彩りにも最適です。
<新にんじん>
粘膜を保護し、活性酸素から体を守るβ-カロテンが豊富。皮付近に栄養が多いので皮ごとすりおろしても。

<春キャベツ>
ビタミンUには胃腸の粘膜や肝臓の代謝を活発にし、老廃物を排出する働きが。免疫力を高めるビタミンCも。

<たけのこ>
食物繊維のほか、体内の余分な塩分を排出するカリウム、疲労回復に役立つアスパラギン酸などが含まれている。

<新じゃがいも>
炭水化物でもカロリーは低め。特に豊富なビタミンCは、水に溶けにくいのでゆでても栄養分が失われにくい。

<絹さやえんどう>
ビタミンB1、タンパク質のほか、体の成長に必要な必須アミノ酸のリジンも含有。成長期の子供は多くとりたい。

<ふき>
食物繊維が多く、低カロリー。苦みやアクのもとになるポリフェノール類が多く含まれ、抗酸化作用もある。

<グリーンピース>
食物繊維の量は豆の中でトップクラス。風邪の予防に欠かせないビタミンC、ビタミンB群も含む。

<菜の花>
ビタミンC、ビタミンB群、カルシウムなど多くの栄養素を含む優良野菜。葉酸や鉄も含むので女性は積極的に摂取を。

<スナップえんどう>
ビタミン類、カルシウムなど多くの栄養をバランスよく含む。さやごと食べることで食物繊維も摂取。

<たらの芽>

山菜の王様とも呼ばれるほど、栄養豊富でうま味たっぷり。タンパク質は大豆に匹敵する含有量。

<こごみ>
ビタミンB群、Cほか、E、Kなど多くのビタミン類を含む。ビタミンB群に含まれる葉酸は貧血予防に効果的。