星組東京特別公演「赤と黒」

昨日(4月6日)、日本青年館で星組「赤と黒」を観劇しました。
この作品では星組主演男役安蘭けい(とうこさん)が
「宝塚おとめ」でずっと「演じたい役」と書いていたソレルを演じます。
実は私は「赤と黒」を読んでいないのです。

脚本は大学の先輩でもある柴田侑宏氏。
1975年に初演、1989年に再演しているので、
今回で3回目の公演です。
海外が舞台ではあるけれど音楽は演歌調の
柴田作品らしい作品でした。

でも、少し理解しがたい部分が・・・

恋の駆け引きも含め、
不倫であろうが、
出世のためであろうが、
自尊心を傷つけられた仕返しであろうが、
愛し合ってしまえば、純愛なのか・・・
でも、現実世界でも同じこと。
愛し合ってしまえば、動機なんてどうでも良い。
別れる理由として持ち出されることはあるけれど
愛している間は関係ない。

舞台ではソレルの少年時代には触れていないけど
ソレルの自尊心の高さ、裏返せば、
些細な一言で低下するほどの非常に危うい自尊心。
少年期の体験って後の人生に与える影響ってすごいのだなぁと思いました。

惜しむらくはこの時代の貴族と平民の階級差が
十分に描けていなかったこと。
レナード夫人やマチルドとの関係は
そもそも女性側が好きになったので、
裁判の判決のように平民が貴族になるために
貴族の女性をだましたわけではないけれど
このようことでもしないと
平民が貴族と対等になれない時代であったことも確か。
そのことが事実ゆえに裁判でソレルは死刑になるのだけど・・・

それにしてもこの作品。
娘役はダブル主演のような扱いですね。
1幕はレナード夫人(あすかちゃん)
2幕はマチルド(ねねちゃん)
でも、最終的に愛し合っているのはレナード夫人(あすかちゃん)。
マチルド(ねねちゃん)はソレルを愛しているのではなく、
自分を愛しているだけ・・・
この時代は女性も平民同様、自由を奪われ
自由恋愛はできなかったのです。

「赤と黒」も「舞姫」同様、原作を読もうかな?