今年の1月8日と12日に日本青年館で観劇してきました。
『A-“R”ex』 −如何にして大王アレクサンダーは世界の覇者たる道を邁進するに至ったか−
いや〜、とりあえず夢の遊眠社みたいな劇です。
この手の作品は真剣に考えず、
言葉のリズムを心地よく感じることなんですが、
最初は理解しようとしたので、頭が疲れ、
眠くなってきました。
でも、観劇スタイルを変えてから楽しめました。
理解しようとするのは悪あがき
能書き垂れるはただのガキ
無駄な抵抗、おやめなさい。
言葉のリズムにノっていこう。
歌とダンスは最高!!
ストーリーはあとで再考!!
アレキサンダーの世界征服の歴史とギリシアのディオニュソス神話を重ね合わせ、
現在の世界の混沌とした状況を巧妙な台詞回しと劇中劇と見せかけてはいるが、
劇中の台詞なのか劇中劇中の台詞なのか、
はたまた演出家のつぶやきなのかわからないような台詞をちりばめて、
入れ子構造にすることによって表現しているようです。
おそらくベトナム戦争時代のアメリカでの劇中劇という先入観が前半にあり、
理解しようと頭を働かせたため、眠くなってきたのでしょう。
プログラムにも書いてあるように
オギーは、基本的な舞台設定、すなわちアレキサンダーの世界征服の歴史を主旋律に
ディオニュソス神話を絡めること、
そして結末を反戦、あるいは世界はひとつになれると言うメッセージを
ハッピーエンドに設定して、あとは韻を踏んだ野田秀樹のような言葉を浮かぶがままに並べていく。
結末へはアレキサンダー自身が連れて行ってくれる。
そう馬のように。
アレキサンダーが死を迎える直前にメッセージを出雲綾に語らせ、
最後はあさこ(瀬奈じゅん)さんとかなみ(彩乃かなみ)ちゃんのハッピーエンドで終わらせる。
そして、オギーの本音を主演ふたりに語らせる。
「ハッピーエンドなの?」、
「ハッピーエンドと思えばハッピーエンドだよ。」
わずか15名の出演なので、大劇場公演とは違う魅力がありました。
特に今回が卒業公演のシギ(矢代鴻)さん、大活躍でした。
なんといってもかなみちゃんが素晴らしいです。
ただ恒例のプチショーがなかったのが残念。
カーテンコールも普通の劇団と同じでした。
二回目(また見に行くのか・・・)は最初から楽しめそうです。
(二回目の観劇)
ただ不覚にも二幕目で寝なかったけれど
眠気をこらえるのに精一杯であまり観られなかった。
隣りの人は寝ていた。
幕間の会話が「寝なかった?」
なのに満席の不思議。
でも、この作品、好きです!!
言葉のやりとりが本当に心地よいです。
生徒さんもテンポがあえば、陶酔するのでは?
記憶力がないので、きっちり覚えていないけど
例えば、
あさこ(瀬奈じゅん)「お前には服従しない」
きりやん(霧矢大夢)「ならば、懐柔しよう」
かなみちゃん(彩乃かなみ)「懐柔して操縦するつもりよ」
あさこ「重々承知している」
とか
萬さん「お前を手元から放したのは愛していなかったわけじゃない」
矢代さん「お前を手元に置いたのは愛していたわけじゃない」
こんな対照的なセリフのやり取りが心地よい。
昔好きだった夢の遊眠社を思い出す。
そういえば、夢の遊眠社も眠くなるけどね。
内容もいろいろ考えられそうです。
以前は反戦って言ったけれど実は戦争肯定?
戦争こそ希望
アフリカから生まれた人類は何千年何万年とかけ、世界に広がった。
今度は何千年何万年をかけ、再び世界を統一しょう!
そのためには戦争が必要と言うこと?
初回の観劇から思っていたんだけど
ディオニソスと言えば、
ニーチェの「悲劇の誕生」!!
そこで「ディオニソス的なるもの」を肯定しているんだけど。
「ディオニソス的なるもの」って情動
「アポロン的なるもの」っていわゆる科学的なもの
アレキサンドロスの世界征服はディオニソスの神話の行程とほぼ同じなんだよね。
そう言えば、ニーチェは発狂した。
本当のアレキサンダー大王は知らないけれど
あさこ大王は狂ったんだよね?
狂ったという割にはまともだった。
最も宝塚の主演男役が狂人らしい狂人は演じないよね。
でっ、ニーチェといえば、「永遠回帰」−歴史は繰り返す
この作品も「永遠回帰」なんだね。
だから、ベトナム戦争時代のアメリカに時代設定して
暗に現在のアメリカを示唆してるんだね。
そういえば、オープニングの歌に
アレックスにかけて、
マトリックスがあったけど
マトリックスとも相通ずるところがある。
どっちが利用しているのか?
利用されているのか?
同じ神を違う名で呼んでいるのか?
人々の思いが同じ神をイメージしているのか?
なんか社会構成主義的だなぁ。。。
それに感想も劇と同じでわけわからんわ。
千秋楽も行こうかな?
DVDを買って、眠くなったら休憩しながら、観ようかな?
それにしても、かなみちゃんは素晴らしい!!
なんか声もいいよね。
それに左手の動きもね。