丹波ナチュラルスクール事件について思うこと

古くは戸塚ヨットスクール、風の子学園、
最近ではアイメンタルスクール等、共同生活での事件があり、
また今回も虐待事件があり、
同じ共同生活による支援を行う者として胸が痛みます。

共同生活自体は大きな効果・成果があるにもかかわらず、
一部の行き過ぎた支援指導によって
ダーティーなイメージで見られること自体も非常に残念です。

ただ報道での情報でしかなく全容がわからないので
断定的なことは言えませんが、
少なくともNOLAをはじめ私たちがネットワークしている
共同生活寮では、スパルタや暴力による支配を否定しています。

そのことは青少年自立援助センター・はぐれ雲・北斗寮の
3団体から出ている、「共同生活施設のルール」という本
(¥300、NOLAでも扱っています)に書かれている内容に準拠しており、
同団体が主催する定期的な会合や勉強会に参加するなど、
スタッフ自身の技術、意識向上に努めています。

 しかし、過去に事件のあったところは
非公開または制限付きのところが多いようで、
ネットワークを持たず、天上天下唯我独尊のところがおおいように思います。

いつも言っていますが、
支援者自身が地域やネットワークから孤立し、
ひきこもっていては本末転倒と言わざるを得ません。

ただ共同生活は、親元を離れて生活するため、
その全容は見えにくいのは確かです。
学校でもそうですが、
地域に開かれているというのは重要なテーマだと思います。

NOLAでは極力OPENにするために、
HPに寮生本人の日記を載せたり、
この掲示板に生活の様子を載せる。
あるいは地域の方たちとの交流や
ボランティア参加などを積極的に行う等
情報公開を行う努力を行っておりますが、
限られたスタッフやプライバシーの問題などで限界があることも確かです。

また外部からの取材や見学の受け入れ等も行っていますが、
興味本位での冷やかしや中傷があると、
精神的にナイーブな子たちを預かっているだけに、
あまり無責任な言動をする人には制限せざるを得ないと思います。

情報公開と、防犯やプライバシーを守ることは
相反する要求で非常に難しい問題です。

私自身こうすればいいという100%の方法はわかりませんが、
唯一つ思うことは、不登校や引きこもりの問題自身が
情報が閉鎖されやすくて、
なかなか当事者と支援者がつながりにくいという問題もあります。

NOLAのHPにも書いていますが、
寮生および親御さんに言っていることは、
「他人助けてわが身助かる」の精神で、
自分の経験やNOLAでの様子などを彼ら自身が公開して、
今度は今、光が見えず、苦しんでいる人たちの力になっていただきたいのです。

そして自立支援は親御さん、地域、外部の様々な方の
ご協力がないと成り立ちません。

私たちも、今後も自分たちの向上のための努力は惜しみませんので
尚いっそうのご支援ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。