関学秋季オープンセミナー最終回受講して

11月29日(土)10時〜関西学院大学にて
テーマ『豊かさ・幸福からみた近代日本』
 講師:関西学院大学経済学部 寺本 益英教授
 本日の講義では、「経済的豊かさ」、「民主主義思想の浸透」をキーワードに、経済と政治の面から戦前の日本がどの程度豊かで幸福であったかを話された。
 最初にGDP一人当たりの実質GDPで国際比較すると。
□□□□ 1870年 1913年 1950年 (単位国際ドル)
日本 737 ──1387── 1926
米国 2445── 5301 ──9561
英国 3191── 4921 ──6907
世界 867- ──1510 ──2114
 上記推移のとおり明治維新期(1870年)は日本の後進性は明白であるが、殖産政策(近代工業の育成・交通、通信網の整備・貨幣、金融制度の整備)等により徐々に豊かになって行った。
 一方民主化は西洋の近代化には不可欠の概念であるが、日本での定着させることは容易ではなかったことを明治期の自由民権運動から大正デモクラシへと進んでいくが、大日本憲法においての軍事、外交などは議会の制限を受けないなどの矛盾から軍の統帥権(この問題が大きい)から独走により太平洋戦争に突入して行った歴史的事実は皆様方のご承知の通りで、けして幸福ではなかったでしょう。
 最近の教育ではややもすれば歴史がなおざりとなり特に近代史を勉強しない結果、若年層の中には戦争すら知らない人が増えていることをよく聞きます。
世界の国々の中でこんなに歴史をなおざりにしているのは日本だけでは?
 最後に民主化は平等な権利を持ったすべての国民が政治に参加できることは幸福が高まりその結果、経済も発展していくことであると理解しました。
(盛況の講座風景)

関西学院大学 秋季オープンセミナーは下記の通り終了いたしました。
次回開催を期待しております。
 10月18日(土)芸術と人間・江戸絵画の楽しみ
 11月 8日(土)国際的にみたわが国の医療と福祉
 11月29日(土)豊かさ・幸福からみた近代日本
 (関西学院大学 校舎)