昨日、非行克服支援センターさんを訪問し、色々とお話を聞きました。

その中で少年付添人制度という言葉を聞きました。

以下、付添人の説明です。

少年が非行を犯し,家庭裁判所に送致されたとき,
少年自身あるいはその保護者は、付添人を選任することができます。

付添人は,非行少年に寄り添い
(1)少年審判手続が適正に行われるよう手続を監視すること
(2)少年の利益を代弁し、少年自身が主体的に審判に臨むためのサポートをすること
(3)少年の家族や職場・学校に働きかけ、少年が社会復帰しやすいように
環境を調整することを任務としています。

付添人は一般的には弁護士さんが引き受けるのですが、
弁護士さんは依頼時に最低でも30万円ほど少年鑑別所送致を回避すれば
成功報酬として30万円ほど必要になるそうで、だいたい100万円ほどかかるそうです。
考えてみれば当たり前の話なんですが、少年犯罪でも成功報酬ってあるのですね。
しかし、弁護士さんにとっては手間がかかる割には報酬が少ない仕事だそうです。
それに弁護士さんは裁判が終われば、少年とは関係がなくなり、
その後のフォローはしないそうです。
これも考えてみれば、当たり前の話なんですが・・・

付添人は家裁が認めれば、弁護士でなくても良いそうで、
昔は学校の担任の先生や生徒指導の先生が付添人になることが
多かったそうですが、今は少年犯罪を起こすとすぐに退学処分し
一切学校と関係の無いようにするそうです。
義務教育の中学の場合は退学処分はできないですが、あからさまに
邪魔者扱いし、他の生徒にも近づくなと指導するそうです。
信じられないですね
私の時代は先生も付いてこなくても良いと言っても付いてきてくれたと
思うし、他の生徒達に対しても以前と同じように接するように指導したと
思うのですが、学校評価なりで先生も心の余裕を失ってしまったのでしょうか?

また少年/少女のご両親も権力を前に少年/少女の弁解する権利など
主張することもなく、ただひたすら謝罪し、ひどい場合は実刑を求めるそうです。
ただご両親の場合は子供が逮捕されたショックで気が動転したまま
警察の事務的な流れに身を任せてしまったと言うことなのですが。
この時に仕事としてではなく子どもやご両親の立場にたって
客観的に冷静に対処できる人が必要なのでしょうね。

そうでないと少年/少女も可愛そうですね。
誰が彼/彼女を救ってあげることができるのでしょうか?

非行に走る少年少女は一人として好き好んで非行に走っているのでは
ありません。

学校の勉強も出来ず、スポーツも出来ない子どもは追い詰められ、
人付き合いが苦手な子どもは不登校・引きこもりに
人付き合いの得意な子どもは非行に走るようです。

無責任にも大人達は学校の勉強が全てではないし、スポーツが出来なくても
好きなことを、など言うけれど、そのような活動をする機会も与えられず、
例え自ら表現する活動や居場所を見つけ出したとしても、
それが非行だと言われたりして、一向に別の評価軸を示そうとも
評価しようともしていないようです。

今、小中学校でキャリア教育として別の評価軸を提示しつつありますが、
それは小さい頃からお金儲けに興味を持たせることだけが目的だったりする
場合も多いようで、オルタナティブにはなっていないのではないかと思う。

このような状況で少年院から出てきても、誰からの助けもなく
また再犯せざるを得ない状況の中に放り出されているのです。
このときにただ寄り添ってあげるだけでも随分と違うと思うのですが・・・

それに少年/少女達の犯罪のほとんどが大人であったら、示談で済む
(=お金で解決する)場合が多いそうです。
また再犯と聞くと、さらにひどい犯罪を犯したように思いますが、
実際は補導程度の犯罪であっても二度目ということで逮捕されるそうです。

今、警察は少年犯罪防止のために犯罪者に対しては見せしめとして懲罰主義に
臨んでいるそうです。
その前に非行に走らないように多様な選択肢とあらゆる差別の根絶を目指すべき
だと思うのだけど・・・