【分科会】「行政と子育てNPOの協働は、虐待防止に役立つのか?」
会終了後、『役立つに決まっている!』という結論になったわけですが・・
今、虐待防止のネットワークの現状として、行政と民間の協働はおこなわれていない、といってもいい状況。法律では民間との協働を責務という形で触れてはいるが。。
・虐待増加の背景←子育ての負担←地域社会の変貌
・いそいろな子育て支援NPOであるが、定義、専門化が必要なのか??という問題も出ている。が、一方で『地域を軸にしている団体は分類は必要ない』わけであり・・・
(%音符1%)最近、お会いする機会が多い皆さん。いつも思うが、皆さんの言葉は伝えたい想いがあるので、とっても分かりやすい。響きます。
各パネリストの皆さんのコメントを少々・・
(%青点%) せたがや子育てネット 松田さん
子育て層が非常に多い地域世田谷区で活動されている松田さん。
・せたがや子育てネット=どんな団体、活動があるのか等を伝えていく。(虐待防止のフォーラムの時に、情報パンフを置く場所をおいたら非常に評判がよかった。地域のことをしらないお母さんが多い!)
・子育てサロンの位置づけ。児童虐待防止のためにつくったわけではないが、サロンに参加するリーダーの意識が変わってきた『ここにくる子どもをまもっていかなくては・・』という責任感が生まれている。
・虐待への意識。
子育て時期になってはじめて世田谷に移ってくる人が多い。知らない人の中にはいってくるため、虐待が特に産前・産後の時期に多い、という問題がでてきている。=出かけられない時期に、地域の人がいろいろな情報を教えてあげる、そのやりとり、対応が大切。 (『電話があったお母さんの家のポストに、即情報が入っているペーパーをいれてあげたことによって、非常に感謝の声を頂いた。』と松田さん。その即動く、というフットワークの軽さ、即応えてあげられることが大事・・公的サービスではできない・・)
【今後に向けて。やっていきたいこと等】
・虐待の予防の一端を担っていると感じる(地域の人々がそれぞれきづかって、声をかけていくような関係性ができつつある)が、行政側にはその期待がない。『予防』に対する意識が低い(対応に追われていて・・)ような気がする。
・わざわざ、『会議』の形式をつくらなくても、日常で関係性を保てるような空気をつくることが大切。
(%青点%) プランニング遊対馬さん
杉並でネットワークを組んで活発に取り組んでいる対馬さん。
・1学校区に1児童館を目指してきた杉並区。行政のネットワーク組織として、児童館を事務局として子育て支援ネットワークがある。が、それぞれの箇所に格差がみられる。(住民主体でのネットワークが必要!)地域の子育て情報の交換が、非常に表面的である、という印象が・・子ども祭りがメインになってしまっているが、そういった“地域の人々と顔の見える関係になる”ことが重要。
・いろいろなネットワークがあったとしてもネットワーク同士がつながらない。(隣の地域で何をやっているのかわからない・・)それをカバーするのがNPOなど民間団体。杉並は積極的でないのが現状。
・児童館がたくさんあるのに、知らない人が多い。知ることができたはいいが、どうそこに入って話していいか分からない人がたくさんいる・・ マンションにこもって子育てしている人々をひっぱりだいしたい!
・お母さんの状況は子どもに影響する(集まってくるお母さんで子どもに話しかけない人がいるのをみると、ちょっと心配・・・声をかけてあげないと・・)
【今後に向けて。やっていきたいこと等】
・虐待防止の専門家ではないが、予防、防止に携わっていかなくてはならないと感じる。行政は、予防ということの意味、どういう対応が必要か、ということがわからないのではないか・・
・自分の人間関係を知られたくない人も居て、その部分にインターネットなど使えるのでは。それだけでなく、現場でも顔の見える関係性をつくれるような場所につなげる仕組みも。
(%青点%)子育てサポーターチャオ雲雀さん
埼玉で活動されている雲雀さん。(チャオの活動は1000の事業、400組のお母さんが参加しているそうです。)行政主導で、民間も含め虐待防止ネットワークを進めているものは埼玉にはなく、東京は進んでいるなぁ、という印象をもたれたそう。
・子育て支援者連絡会議があり、児童相談所、ケースワーカー、保健士、臨床心理、社会福祉行議会、NPOチャオなどがはいって年3回会議をおこなっている。ケースワークをメインに。お互いに連携できる部分を探している。会議の回数は少ないが、顔の見える関係になったことで、対応が即取れる(他の機関との連絡がとりやすい)ようになった。それが地域の虐待予防につながっているのでは。
・県レベルとNPOがつながっているが、市レベルでつながりがない、という点が課題。
【今後に向けて。やっていきたいこと等】
・グレーゾーンにいるお母さん方はたくさんいる。(=強く感じているNPO)まずは、聞いてあげるということが大切。
・3歳になってもそとで遊ばせたことがない、というお母さんなど“ちょっと心配”というレベルが、ケースワーカーさんが感じるレベルと異なる。気づいてくれる地域の人が大切。
・呼んであげている、という行政の立場が変わらないと。ボランティアで参加せざるを得ないNPO。それでは関わり方が変わってくる。
(%青点%)三鷹市森田さん
※みたか子育てネット
・子ども支援は、一人で対応できるものではない・・
・三鷹は、行政のネットワークを拡大する形で、虐待・DVなどに対応している。
・電話で、それぞれの状況を把握(アセスメント)、役割を分担。
・それぞれの専門家とのネットワーク作りを。
・『予防』のフォローとして、NPOの協力を仰ぎたい。
【今後に向けて。やっていきたいこと等】
・行政の敷居の高さをフォローできるNPOの存在は大切。
・行政サイドとしても、『きちんとした取り組み、考え方を持っているNPOとの連携を考えたい』(=NPOサイドも、情報発信を・・)
(%エンピツ%)みなさんのこうした話を聞けば、NPOと協働して取り組むことは良い方向につながる=予防につながっている、ということは明らか。『NPOと協働して行うことがいいことであることは分かっているのだが・・』という行政の方の声も上がっているとのこと。意識の面はクリアしつつある地域もある。次はやはり、制度・仕組みづくり。協働のガイドラインのようなものを出している行政は数多いが、実際の取組はどうか・・・
提案型、プロジェクト型の取組を進めていけるような、取組を期待したい!
【関連するブログ】
・次世代育成支援フォーラム in とうきょう
・次世代育成支援フォーラムinとうきょう 〜協働のむずかしさ