ここ数日、見出しの件につき、考えていますが、
なかなか難しい問題ですね。
「いじめによる自殺問題に思うこと」では
子どもたちに自殺してはいけないと言う大人が
生徒のいじめ問題に絡んで自殺していたりと
大人自体が責任の取り方として自殺を選択している。
これだと子どもに対して説得力はない。
大人が自殺しないことも大切だ。
しかし、どうも一部の保守派の人々は
自殺には良い自殺と悪い自殺があると考えているようだ
と言うようなことを書いた。
「いじめによる自殺問題に思うこと、再び」では
いじめを「加害−被害」だけの関係で見るのではなく
いじめる側にも、いじめられる側にも
軽度発達障害や虐待を受けている可能性などがあり、
複雑な問題と見なければならないと書いた。
「いじめによる自殺問題に思うこと、みたび」では
いじめられている生徒に対する先生方の対応を見ていると
いじめる側よりもいじめられる方が悪いと言う意識が
先生側にあるのではないかと書いた。
そのため、いじめる側への指導が
不十分になっているのではないかと思う。
今までの記事で私は「いじめる側」への言及が少ないことに気づいた。
別に私は「いじめる側」には責任がないと言っている訳ではない。
寧ろ「いじめられる側」に
責任があると思っているのではないかということを
問題にしてきたつもりだ。
では、なぜ「いじめる側」への言及が少なかったのだろうか?
いじめの報道では「いじめる側」が見えないからかも知れない。
それはマスコミが、いじめを発見できなかった国や学校側の責任が
一番重いと考えているからだろうし、
加害者が少年であることも大きく影響しているのだろう。
また自殺なので、直接手を下している訳ではないから
自殺の原因がいじめであっても
刑法的には加害少年に責任を問うことは難しい。
そのため、補導するためには傷害などの別件逮捕か
触法少年、虞犯行為を見つけるしかない。
だから、学校側が当初いじめが原因であるかどうか
こだわったことも理解できなくもないが、
テレビの画面を見る限り、残念ながら、
加害少年に配慮した様子もない。
もちろんひとつひとつのいじめのみを切り出してみた場合、
それぞれのいじめにはいじめる側といじめられる側があり、
いじめる側が悪いのは間違いない。
そして、そのいじめで、いじめられる側が怪我をしたり、
精神的に変調をきたしたりした場合は
加害者は罪を償わなければならないのは当然だろう。
しかし、いじめを連続したものと見た場合、
切り出した部分部分で
加害者と被害者が入れ替わっている可能性も否定できないし、
今のいじめはそういうものらしい。
とすると今回の被害者が今までずっと加害者側で
あり続けた可能性も否定できない。
だからと言って、たまたま切り出した部分で
加害者であった子どもに罪がないことにはならない。
もちろん情状酌量の余地はあるだろうけど・・・
だけれども、いじめる側は決してモンスターではない。
社会がそのように育てた面もある。
それは虐待かも知れないし、軽度発達障害かも知れない。
あるいは教育のあり方そのものかも知れない。
もちろん如何なる生育環境で育ったとしても
加害者であった子どもに罪があることには間違いない。
良く言われるように同じような生育環境で
加害者にならない子どももいる。
しかし、人間は工業製品ではないので、
例え、同じ生育環境だからと言っても
一人ひとり違うのだから、反応が違うのは当たり前だ。
だから、絶対に加害者が悪いとは言い切れない。
だからと言って個々の加害者の罪が消えるわけではない。
個々の加害者は罪を償ったうえで、
その加害者の更生と次の加害者を生み出さないように
することが必要だろう。
加害者を罰するだけではいじめは解決しない。
またいじめの早期発見も大切だけれども
それも行き過ぎると
勝ち組が考える理想的な少年少女像を強要し、
その理想的な少年少女像から下位にはずれる子どもが
潜在的な加害者として告発される可能性も否定できない。
さらにいじめのリスク・アセスメントと称して
生まれた頃からの生育環境や
親・兄弟・親戚の犯罪歴、あるいは障害の有無など
調べられたりされたら、たまらない。
そうなると、子どもたちの間に
より一層均一化への圧力が増し、
平均からずれた子どもは
ハイ・リスクな子どもとされ、
公的ないじめ、差別を受けるかもしれない。
児童虐待の世界が少しそういう傾向を示しているけど・・・
だからと言って、いじめの早期発見はしてはいけないとも言えない。
当面の間は、いじめがないかを常に気をつけておく必要があることは
間違いない。
ただそれをどんどんどんどん突き詰めていけば、
子ども達の個性や多様性を奪い、
今度は公的ないじめを生み出すかもしれないことを
常に気にとめておく必要があるように思う。
自分で書いていてもよくわからないなぁ・・・
【参考になる記事】
子どもの「いじめ」に対する大人の責任
【参考になるブログ】
THE義務教育- 日本の子供がもっと楽しく学べるように♪
キープラネット社会貢献事業部ブログ