福祉機器について〜段差を解消するためのスロープ

障碍児といってもいろいろ、とは以前書きましたが、体を自由に使うことが難しい肢体不自由児は、車椅子や歩行器、座位保持椅子などを使って生活をすることになります。 そして車輪のついた乗り物がとかく困るものといえば、段差ですね。
ベビーカーに比べ重く、折りたたみもできない構造の多い車椅子にとって、スムーズな外出を助けてくれるのが、街のバリアフリー化です。
今は電車やバスにも車椅子に配慮した設備が整えられてきましたが、階段しかない施設や住宅もまだまだ多いのが現状。永住型分譲マンションなどは、階段のほかにスロープが作りつけられたところが多いですが、賃貸集合住宅などの場合は、なかなかこういった配慮がされていません。

そんなときに必要なのが、段差を解消する”スロープ”です。(写真は折りたためるデクパックというスロープ)
一般的に、介助者なし・自力で坂を登れる角度は5度までで、それ以上の場合は介護者が必要です。 そして健康な大人が介護する場合でも、車椅子使用者の安全を確保できる限界角度は15度、といわれています。
これは3段の階段(約50cm)の段差にたいして、2Mのスロープを渡す必要があることを意味しています。

(%車%)(%ひよこ%)(%車%)(%ひよこ%)(%車%)

世田谷区の話しになってしまいますが、様々な福祉機器の実物が展示されている「たすけっと」(世田谷区松原6−41−12、世田谷区総合福祉センター隣接)という展示場があります。 私が訪れたときは、介護保険利用者(高齢者)を対象としていたので、”子ども”に限定したものは カタログでしたが、スロープなどは購入の前に、実物を確認できるので安心でした。 区民であれば、3日間のおためしレンタルもしているそうです。
(%ノート%)問い合わせ先: 「たすけっと」03-5355-3451

このように、外に出るための車椅子や、屋内で座るための座位保持椅子などは、障碍があっても当たり前の生活を営めるよう自治体の援助を受けることができますし、他にも家の改築や福祉タクシー券の発行、お風呂の介助など様々な福祉サービスがあります。
ただ障碍児に関しては介護保険利用者と違い、トータルにサポートしてくれるケアマネージャーにあたる人の存在がありません。 そして自治体によってサービスが違いますし、市区町村ではなく、都が管轄する分野もあります。
対象者が少ない制度だと認知度が高くならず、自分が対象者だと気付かずにずっと申請しないままでいた、というケースもあるようですので、次回以降に この様な制度についてもご紹介したいと思います。

(%エンピツ%)竹中かおり