ふたたび楽しく生きていくためのメッセージ

大人も含めた障碍者の数は550万人とも600万人とも言われますが、子どもに限定した場合、障碍を負うに至る原因は、出生時を含む先天的なものが約7割、後天的なものが約3割だそうです。

後天的な障碍は、交通事故や水の事故、脳炎・脳症、脳腫瘍などの病気が主な原因です。 近年、インフルエンザ脳症がマスコミなどでも盛んに報道されていますが、
子どもであれば、これらの危険に誰でも晒されていることになります。
にもかかわらず、後天的な障碍を負った子どものリハビリや専門病院は多くなく、福祉や教育体制も未整備である現状が書かれた本が出版されました。

(%ノート%) 『ふたたび楽しく生きていくためのメッセージ』 (写真)
 〜後天的脳損傷の子どもを持つ家族との対話
 栗原まな+アトムの会(編著) 定価1、600円+税
 発行:クリエイツかもがわ 発行元:かもがわ出版
 

栗原まな氏は神奈川県総合リハビリテーションセンターの小児科部長で
「後天的脳損傷を受けた子どもの家族の会」を病棟に作られた医師です。

後天的な事由により重い障碍を負った子どもの家族は、子どもの元気な姿を知っている
こともあり、「立ち直る」ための時間がかなり必要で、リハビリに取り組むこともさえ難しい場合があります。子どもの障碍を受け入れるまでの過程が、先天的に障碍を持って生まれた子どもの家族の場合と異なるいわれているのです。
また、後天的脳損傷を受けた子どものリハビリに特化している病院はあまりないため、そういう子どもたち、家族同士が会える機会もなかなかありません。
神奈川県総合リハビリテーションセンターは そういう意味で貴重な存在です。

この病院は、後天的に障碍を受けた子どものリハビリを母子入院という形で進め、その後在宅生活に移行できるような取り組みもされています。
残念ながら東京都内の施設ではありませんが、先述のように、このようなことに特化した病院は多くなく、こちらには他府県から入院される方もいらっしゃるのでご紹介させていただきました。

神奈川県総合リハビリテーションセンター (写真で見る看護技術というコーナーでは、在宅生活の工夫が紹介されています)
七沢温泉が近く、山の上の空気のいいところにある病院です。(%晴れ%)

(%エンピツ%)竹中かおり