東京のOさんが送ってきて下さった原稿を、レイアウトしていた。
小学校の頃、特別教室と呼ばれた知的障害児のクラスがあり、
その担任が田村一二という絵の先生だった。
Oさんも、そういった障害児に混じり、絵を習ったと言う。
脚注を作るために田村一二氏を色々インターネットで調べていたら、
段々と田村氏の凄さがわかり感動しました。
滋賀県庁で働いていた糸賀一雄氏、池田太郎氏らと
知的障害者施設県立「近江学園」を創設に参加。
しかし田村氏はこれだけでは満足できません。
知的障害を持つ子どもたちの教育は学校だけでは限界があると感じて、
寝食をともにする教育施設をつくりたいという願いを持っていました。
文のたつ田村氏は、ついには、『茗荷村見聞記』という小説を書き、 映画化もされ、
その影響から、実際に「茗荷村」を作ろうという動きが出てきて、
知的障害者が自立した生活を送れる村が、滋賀県にできあがったのです。
その村是は
1.賢愚和楽(けんぐわらく):男女、老若、強弱、貧富など皆それぞれ“差”はあるが、たったひとつのかけがえのない「命」を持っている点ではなんの“別”もない。したがってみんな仲良く“和”して“楽しく”暮らしていけるように努力すること。
2.自然随順(しぜんずいじゅん):自然を汚したり、壊したりしないで、衣食住ともに、自然に随って生きていこうという考え。
3.物心自立:できる限り自活し(障害児者収容施設ではないので、その方面の補助はない)自分たちのつくったものを売って、自立をめざす。
4.後継養成:研修会、体験入村、ボランティア活動などを受け入れ、若者の養成に努める。
高齢者の問題は障害者の問題と重なる部分がたくさんあります。
われわれも、にっちの夢をいろいろ表現しているうちに、
いつか、その夢が実現できるようにならないかと、ふと思ったりしました。