新しい号がそろそろ届いたかな、という昨日の朝、
西宮の木村英造さんから電話が入りました。

昨年発行された
淀川のシンボルフィッシュ イタセンバラ— その絶滅と再生について —
(木村 英造 著(爪跡出版発行・945))
を最新号で紹介したお礼の電話でした。

この本は、淀川のシンボル魚イタセンバラを絶滅から救え!
と立ち上がった木村さんの40年の軌跡を日記や事業報告をもとにまとめたもの。
その粘り強さに脱帽です。

木村さんの出発点は渓流釣り。こんな文章があります。

 「1950年から60年代にかけて日本産業の勃興記である。
 山林と渓谷の荒れ方は尋常のものではなかった。
 まず伐採のために林道をつくる。つくる際に出る土砂は渓流に叩き込む。
 渓流が荒れて出水が起こるのを堰堤をつくってなだめようとする。
 山林治水という考え方が全然ないのである。
 渓流魚にとって堪ったものではない」。

とても86歳とは思えない切れ味鋭い文章に感動すら覚えます。
こんな調子で、建設省(現国土交通省)を始めとする行政や
離反する仲間との闘い等が綴られています。

エコが叫ばれる時代。約40年も前から自然保護の運動を切り開いてきた
木村さんの闘いをなぞってみるのも有益ではないでしょうか。

午後には、近くで開かれている英語のディスカッションに出席するついでに寄ったと
Tさん来訪。87歳。

彼も、創刊当時から弊誌を応援して下さり、自分の子供の時代を書いた
『大正の子ども』を連載されたこともあります。

彼のもっかの嘆きは、高齢男性が世の中に出て行かないこと。

旅行に行っても、講演会に出かけても、
たくさんの女性の中で男性はTさん一人ということがよくあるそうです。

おまけに男性と話しても、会社や仕事を引きずっていて、
考えが狭くって少しも面白くない、なんでだろう?

とぼやいておられます。

そういえば、理学療法士として活躍している三好春樹さんの著書に、
『なぜ、男は老いに弱いのか?』と言うタイトルの本がありました。

上手に老いるために、男性は猛省する必要があるのかもしれません。