やっと冬号(Vol.53)が完成しました。
12月1日には、阪神間のジュンク堂や芦屋の宝盛館、
大利書店に並びます。
今号の百歳さんは、菅谷 藍さん。
NHKの『百歳バンザイ』に登場された菅谷さんをご覧になった方も多いでしょう。
菅谷さんは、現役の書道の先生。
自ら料理する夕食のおかずは7品。
じゃないと、「胃袋が承知しない」そうです。
日本のシャンソン界の大御所、
深緑夏代さんにもインタビューすることが出来ました。
越路吹雪とペアを組み、人気スターに駆け上がる前は、
声楽家を志し、関西オペラ公演の『カルメン』で主役を演じ、
藤原義江や砂原美智子らと協演したそうです。
本名 多田玲子時代のそんな深緑さんを知っている読者がおられないか、
と登場くださったのです。
カラーページは奈路道程さんの唐招提寺の力作と、
取材した画家 マリヴォンヌ・ナジェル・岡本さんから頂いた
繊細なタッチの絵ハガキで飾り、ささやかな誌上画廊になりました。
(この絵は、三味線を弾くマリヴォンヌさんのお姑さん。
蝋や、ガラスを絵の具に混ぜ、立体的な絵になっています)
今号では、期せずして「生誕」と「死」に関係する取材ができました。
どちらも、ここ数10年の間に、医療が囲い込み、
日常生活から消え去ろうとしている世界です。
何処かで私たちは「健康」を人間の至上の価値におき、
老い・病い・障害・痴呆・死などを隔離するよう望んだのでしょう。
しかし、ヴァーチャルな情報世界が席巻し、一方で、
科学の発展により命が操作出来るようになった現代には、
誕生から老いて死ぬまでの人間の「動物性」をもう一度、
捉えなおす必要があるように思えてなりません。
その文脈で、助産師の岡本順子さんや
関西学院大学人間福祉学部 准教授 「死生学・スピリチュアリティ研究センター」
センター長の藤井美和さんの取材記事を書いてみました。
(右の写真は藤井美和関西学院大学人間福祉学部 准教授)
橋本 武先生は「『銀の匙』のこと」と題した文章を寄せてくださいました。
灘中学で教えていた国語の授業をもう一度、やってみたいそうです。
その文章を読んだ若いスタッフが、私も受けてみたい、
子供に受けさせたいと反応しました。
どんな形でか実現できれば面白いですね。
その外、前に介護保険の利用法を書いてくださった熊野以素さんが
「K大生体解剖事件」に巻き込まれた伯父さんの話を寄せてくださり衝撃的でした。
登山家の三輪文一さんも久々の登場です。
今号も、たくさんの方のご協力で完成しました。内容の濃い冬号です。
どうか、書店で、手にとってご覧下さい。