木津川計さんの一人語り劇場

にっち50号で取材をさせていただいた
木津川計さんの一人語り劇場が芦屋ルナホールで開催されました。

一人語り劇場と言うのは、
一つの作品を登場人物の解釈、批評、当時の世相など
さまざまな角度からの解釈を加えながら話を展開させてゆくという、
今までになかった舞台です。

今回の演目は「無法松の一生」。

車引きの松こと富島松五郎の、美しい未亡人に対する純粋で深い慕情を、
情感を込めた語り口で熱演されました。

この作品が坂東妻三郎主演で映画化された時、映倫のカットが大幅に入った為、
松五郎の想いは十分にスクリーンに表されなかったそうです。

ところがそのことがかえって見る人の想像力に働きかけ、
映画に奥行きを持たせる結果になったとか。

見えない部分がかえって人の心に大きな印象を残したそうです。
秘すれば花」という世阿弥の言葉まで引用して
作品の魅力を引き出されました。