被災した子どもたち

先日、お寺で檀家さんの集まりがあった
お坊さんはお話が上手で
いつもその法話を聞くのが楽しみだ

その日は震災後初めての集まりだったので
東日本大震災で亡くなられた方のために
みんなで般若心経を読んだ

その日のお話は震災で
親を亡くした子供たちの事だった

「このお寺にお手伝いに来られている方の
息子さんが京都府警におられて
3月、応援に被災地へ行かれました

警察官ですがむこうでの仕事は
亡くなられた方々の顔や体の泥を
拭いてあげる事だったそうです

一体、一体、きれいに拭いてあげる
涙なくしてはできない仕事
帰ってからも1週間、ひと言も口を
きかなかったそうです

あまり報道はされてませんが
震災で親を亡くした子供たちが
約140人います
(ラジオ福島のホームページによると
各県が把握している両親が死亡・行方不明の
18歳未満の子どもの数は184人となっています)

今は避難所でたくさんの人達と
暮らしていますが
仮設住宅ができると、家族が移っていき
最後に残されるのは
親のいない子供たちです

東北のみんなが育ったその土地に
子供たちがみんなで住める寮を
作ってはどうでしょう

寮母さんは
子どもを失ったお母さんたちです
みんなで育て
18歳になったら
自分で自分の道を選べばいいのです

欧米では里親の制度が
きっちり確立されていて
他人(外国)の子を小さい時から
引き取り、責任持って
家族の一員として育て
18歳になると子どもの意思を
尊重し、自由に将来を決めさせます

日本では親戚や祖父母が引き取り
育てることが多いですが
あずかる方は時には高齢者ですし
土地を離れ、言葉が違うと
学校ではからかわれたり
いじめられたり、といった問題が
おこるでしょう…」

町の復興や支援やらのことが
大きく取り上げられて
子どもたちのことは
こんなに具体的に深く
考えることがなかった

テレビでは元気いっぱいはしゃいで
無邪気な子どもたちにみえるが
この子たちを決して忘れることなく
見守ってあげること
これが、今も、これからも、
私達に出来る最も大事なことかもしれない