数ヶ月前に私が住んでいる市のまちづくりのテーマ出しイベントがありました。常々お金に困っている私は、思わずコミュニティファンドを提案しましたが、しっかり不採用になりました。
それでもその場に居合わせた市長に、コミュニティビジネスの創出のためにファンドを検討してくださいとお願いすると、あっさり「これから必要ですね。」とか何とか答えながら隣にいた担当部署の部長にお決まりの「よくお話聞いといてね。」
こりゃダメだ、と忘れていたところに後日別件でお会いした当の部長から、「あの話を詳しく聞かせてください。」と不意打ち。仕方なく教科書的に通貨の価値尺度と交換手段、価値保存手段の3つの側面を説明して、特区申請してまで発行した地域通貨『いっぽ』の不十分さをお話しました。 『いっぽ』発行の見返りとして受け取る『円』は銀行に預けられて、一切手をつけられず結局銀行の収益の元になるという理不尽さ。銀行は預け入れられた『円』の殆どを運用に回してガッポリ儲ける。地域通貨は、価値尺度と交換手段としては使われているが、価値保存手段としては未使用。
価値保存手段として法令上可能か 地域通貨の見返りに受け入れた『円』を銀行の定期預金に預け入れ、それを担保に銀行から融資を受けて、それをNPOやコミュニティ事業(コミュニティービジネスや社会的事業を敢えて言い換え)に貸し出す。
融資レートや地域通貨の運営主体がどこで収益を得るかを無視すれば可能ではないか。余りにも専門的過ぎて誰か一緒に考えて〜。
そんなことを思いながら何とか部長との話を終えて、コミュニティーセンターであった別の行事に参加すると、『いっぽ』発行元のNPOの代表とお会いしました。何と奇遇か皮肉か!
その代表に「地域通貨でコミュニティファンドを」と話しかけると、「そんな難しいことは考えてください。」と一蹴されてしまいました。同感です。