イラストライター、大枝桂子です。
(%紫点%)(%ハート%)(%エンピツ%)
前回のブログを見た友達から、
「DCDってなんですか?」という質問を
もらいました。
もうすこしだけ詳しく、
DCD=「発達性協調運動障碍」の特徴について書きとめておきます。
(知ってる人は読み飛ばしてくださいませ)
DCDのコアとなる特徴は、
★歩く、走るというような「大きな動き」と
手先などを使ったりする「細かい動き」、
さらにスキップなどの、大きな動きと細かい動きを合わせた
動きが生まれつき得意でない
っていうものです。
この特徴に関連して、
●(小さい頃だけだけど、舌のコントロールが上手でないため)
言葉がハッキリしない。
●目の動きのコントロールがうまくいかない
(たとえば、黒板見た後、ノートを取るため手元を見る、
というような目の動きとかが苦手)
●目や耳などの感覚器官が受け取った情報に対して、
適正な反応ができない。
●知的な遅れはないけれど、
考えを整理したり、計画することが苦手。
●目の動きがスムースでないから本が読めないなど、
読み書きの学習障碍を伴う。
●落ち着きのなさ、幸福感の希薄、孤独感、自信のなさなどの
性格や行動にかかわる問題を抱える。
(もともとの障碍の上に、
他者からのプレッシャーによって、
「二次的感情障碍」と呼ばれるトラブルを引き起こす)
●日によって、調子のいい日と悪い日(あるいは時間)がある。
こういった症状を持ち合わせることがあるそうです。
(必ず、全部持っているというわけではない)。
他の障碍とおなじように、
DCD=「発達性協調運動障碍」という障碍が
世に認知されない限り、
「ブッキー!(ぶきっちょ)」とか、
「ウンチ!(運動音痴)」とか
「やる気ないんだろ!?」とか
本人が望まない不用意な批難を浴びて、
辛い思いをしてしまう子が後を絶たないことに
なりますね。
「自転車で、競輪の中野選手と同じ速さで走ってみろ!」
と言われたところで、
どんなに努力しても、私には絶対無理です(^_^;)。
それと同じように、
生まれつきの機能によって、
どんなに速く走ろうとしても、
どんなに上手に細かい仕事をしようとしても、
標準といわれるレベルまで達しない子がいる。
(努力で達する子もいるけれど、
達しない子も必ずいる)。
機能的な個人差は、存在するわけです。
まず、それを受け入れなければ。
でも、私は自転車に乗るのが好きだから、
自転車に乗ります。
たとえノロノロ運転でも、
自分が「楽しい!」って思えるから乗る。
これと同じで、
なにかができるようになるって、楽しいんだ。
それができることが「生きる喜び」につながるんだよ。
そう言う気持ちで、
障碍のある子どもたちの発達の手伝いができたら
いいと思うんですね。
早く走れないと困るから、とか、
細かい手仕事ができないと不都合、っていう、
「生きる力」的な考えより、
「生きる喜び」を基準にする。
自分の限界の中で、
自分なりにできること、
楽しいと思えることを
少しでもいいから増やしていくこと。
これが限られた人生をよりハッピーに
生きていく手だてなんだと、
こっちのハッピーなアメリカ人を見てて、
そう思うこのごろです。(^_^;)
*
ここからが今回の本章!
高校1年生の娘に
(日本ではまだ中学3年に相当)
3章の後半部分を訳してもらったので
それを載せちゃいますよ。(・・・・・以下)
3章の要は、
DCDの子たちの活動のおりには、
「姿勢を重視しましょう!」です。
DCDの子は筋緊張が弱いので、
どうしても姿勢がくずれがちなんだけど、
姿勢を正すことは、
身体的コントロールを高めるだけじゃなく、
注意力や、目の動きのコントロールアップにも
役立つそうです。
でも、「姿勢を正しましょう!」と言われても
できないから困っているワケなので、
モーベンさんは具体的な方法を紹介してくれてます。
【良い姿勢をつくるためのヒント】
●骨盤が椅子の後部についている状態で、
膝と足首を90度に曲げ、足を床かフットブロックにつける。(図参照)
●二の腕が胴体から30度以上離れていたほうが良い
●Dycem mat(商品名)や、傾斜のついたクッションが効果的
(http://www.medisave.co.uk/dycem-mat-anti-slip-material-365mm-255mm-p-414.html)
●足掛け台、肘掛を利用するとより安定する
●机は、子供が真っ直ぐ座り肘を曲げた時、肘の位置から2インチ(約5センチ)高い高さがちょうど良い。
●テーブルの高さは重要。
カットアウトテーブル(図参照)を使うと良い。半円に切り取られた場所に子どもがちょうどおさまり両側が肘を支えるため、腕、胴体、姿勢が安定する。
●教室にあるプラスチックの椅子に気をつけなくてはならない。
(↓こんなのかな?
http://www.ourwebpage.org/aircastlesandslides/preschool_chair_blue_12inch.jpg)
背もたれが傾いているし、座席が長すぎる。結果、座った時に安定性や手、腕の動きが制限される。
●前を見ている子どもの頭の位置をしっかりさせると、子どもが一点を見つめやすい。
(*頭を手で押さえておけ、という意味ではないと思う。(笑)
以下のような、頭が動きにくい環境を作りましょう、ということですね)
●傾斜のある机を使うことは子どもが頭をたくさん動かすことを防ぐ。すぐに姿勢がくずれてしまう子どもに効果的である。
●床に座る時は、足を組む姿勢(*あぐら)が安定して一番良い。横座りや足を伸ばす座り方は手の支えが必要になるのでよくない。
娘の文章は多少リライトしていますが、
辞書さえあれば中学生でも訳せる本です。
本文をこのまま訳していくのは、
版権の問題で訴えられかねませんので、
これ以降は超かいつまんで、
紹介していきます。
興味のある方は是非、自分で訳してみてください!
もしくはどこかの出版社、
日本版を出しませんか?(笑)
(%紫点%)(%ハート%)(%エンピツ%)