特別支援教育校も高学歴!?

福祉ジャーナリストの安藤です。

 ブロガープロフィールの最上段に掲載して頂きながら、いまごろの登場で大遅刻〜!できの悪い子ほど可愛いとも言いますし!!!? ひとつよろしくお願いします。

 ただ今、障がいのある子どもたちの進路について取材しているので、教育や就業あたりから書きはじめてみましょう。

 障害者自立支援法の施行、特別支援教育、介護保険との統合問題・・・・・、そして福祉分野を含めた社会保障や子育てに関係する予算は税財政改革のなか多くの市町村で(こっそり!?)削減されています。

 例えば日常生活用具の給付についてかつては厚生労働省が品目ごとに給付額を定めていました。それが改革の結果、都道府県の裁量で決めなさいとなりました。

 社会保障はセーフティネットで、国がそれを保障していたのがこれまでで、現在は地域で考えなさいとなりました。ゆとりのある地域はそれでもよいですが、たとえば夕張市をごらんなさい、暮らしに困ったとき頼りにしていた市役所が、これも頼りにならない。ではいったい、どうすればいいの? 

 20年どころか10年先すら見通せない不安に焦っちゃいそうです。足元すくわれないように、なにがどうなるのか、政治や政策をじ〜っと凝視しつつ、子どもたちの自立や教育について思ってみましょう。

 障がい児の支援を専門にしている特別支援教育校で子どもたちの進路指導について取材してきました。もと養護学校ですね。ここは都内にある肢体不自由が専門のところです。某大教育学部の付属校で先生たちの意識の高さが印象的でした。

 さて進路です。

大学(13%)、専門学校(8%)、職業訓練校(18%)、更生相談所(15%)、就職(18%)、授産施設(10%)、在宅(18%)

 ただこしこのデータにはからくりがありまして30年間の合計なのです。最近の傾向ですと過去5年間で就職した卒業生は1名しかおらず、大学や職業訓練校へ“進学”して知識や社会性を養ってから、就職を目指すケースがとても多くなっています。保護者も手に職をつけさせたいと考えているようで、その希望は子どもたち本人ともほぼ一致しているそうです。

 みなさん、この数値をどう読まれますか。福祉記者10年以上の私は、高学歴だなぁと驚きました。大学とかって、建物バリアフリーとかノートテイクなどの就学支援がとっても貧弱だという取材レポを何度か書いたこともあって、そんな印象を持ってしまいました。世間では大学の全入時代だとさかんに言われていますけれど、高卒就職は特別支援教育校でもマイナーになっていました。

 次回は「更生相談所って、何?」。特別支援校の進路について詳しく紹介してみましょう。