型稽古の決まり事

型稽古には決まり事がある。

決まり事がなければ(知らなければ)、
型稽古はただ動きの一例を覚えて、動きに慣れるまでとなる。

この段階まででも、土台を作る上で重要だが、稽古はそこから始まりとなる。

型には受けと捕りがあり、通常は、
受け:技を阻止する側、指導 負ける
捕り:技を施す側、習う 勝つ
となっており、

指導側が負ける(抑えられる)ようにできている。
これは受けによって難易度を調整し、捕りが効率よく技をかけることを覚えられるようにするため。

例えば、自由に受けていいのであれば、難易度が上がり、捕り側は技を習得することは困難となる。
逆に、あまり簡単すぎると受けが原理ではなく、形を技と勘違いしてしまう。
受けを捕りのできるかできないか程度に、形を変えて、形を覚えず、中身に意識を向けさせて
なるべく早く技(△◯□の存在)に気づかせる工夫が必要となる。
よって型稽古は、受けの実力と稽古法の理解がとても重要であり、これがないと型稽古は意味を失う。
だから三年かけて良師を求める必然性がある。

型の中で、
受けは抵抗し、捕りは決まった形の中(筋道)で技をかけていく。
そうすることで、表の形(陽、△、結果)に裏の形(陰、◯□、原因)が出てこないように訓練する。

捕りが何をするかわかっているので、抵抗の仕方もわかりきっているが、
技ができれば、それを抵抗がわかりきった状態で正面から通り抜けることができる。

これらの要素が揃って、型稽古は意味を成す。
これが揃わない場合は、乱取りの方がよい。
しかし、乱取りでは人を傷つけること、殺めることは当然できないので、攻撃方法に制限を設ける必要があり、そうなると厳密には技の稽古ができない。

だから、その目的の中身だけ残した型稽古が必要となる。