前回、杉並区の子育てバウチャー制度について紹介したので、先行して実施している秋田市の子育てサポートクーポン券についても採り上げてみたい。
秋田市のバウチャー制度は、在宅子育てサポート事業として平成17年度から実施されている。17年度の対象は、「17年4月1日以前生まれで、保育所や幼稚園に入所(園)していない、就学前のお子さんのいる世帯」となっており、特に所得制限は設けていない。昨年度だと対象となる子ども1人につき500円相当12枚綴りのクーポン券1セットを配布している。
特徴としては、一時保育が利用できる「在宅ママ・パパのゆっくりプラン」のほかに、市立図書館推薦の絵本を購入できる「親子の絵本プラン」と、日帰り遠足に参加できる「わんぱくキッズのおでかけプラン」という2つのプランに利用できること。
やはり利用は一時保育が最も多く、受け入れ施設が需要に追い付かない状態だそうだ。次に人気があるのは、「おでかけプラン」。これは、NPO法人が小学校区ごとにバス遠足を企画し、それに参加できるもの。NPOとの協働する・支援するという面でも意義がある。また、在宅での子育ての場合、多くの親子でいっしょにでかける機会は少ないため、集団での遊びに参加できるメリットもある。
財源としては、やはり乳幼児医療費の補助。医療費補助がいいのか、こうしたバウチャー制度を選択するのか。ともにメリット・デメリットがあるが、今後それぞれの自治体が市民の声を聞きながら選択していくことになる。