NPOとワーカーズ・コレクティブの違い

「NPO」とは民間の非営利組織の略で、ボランティア活動、市民活動、市民運動、市民事業等を行うグループ・団体で、利潤を上げることを目的としない、公益的な活動を行う、自発的な民間の組織を指します。活動分野はワーカーズ・コレクティブとは共通点が多いのですが、NPOが法人格を取得し「NPO法人」となった時に、次のような違いが出てきます。

「ワーカーズ・コレクティブ」と「NPO法人」の一番の違いは、資本構成の考え方にあります。ワーカーズ・コレクティブは出資金を基本としますが、NPO法人は会費制ですので、会費を基本に寄付や補助金・助成金、そして事業収入を資金源にします。次にワーカーズ・コレクティブは出資者に配当を出すことができますが、NPO法人は利益を分配することは出来ません。また、ワーカーズは何人からでも起業できますが、NPO法人は10人以上の正会員がいなければ設立できません。

もうひとつ、ワーカーズ・コレクティブは基本的には全員が出資者であり経営者でもあるので、雇用関係は発生しませんが、NPO法人の場合は、役員組織によって事務局スタッフを雇用する形態をとります。NPO法人は会員、役員、スタッフ、ボランティア、その他の支援者など多様な社会的バックアップを得ながら事業活動を進める構造になっています。