最近、「中国では子どもにオムツを使わないで、尻割れパンツを使う」という文章を読んで、日本と中国における子育ての違いを改めて実感しました。「この尻割れパンツを使う結果として、何処でも排泄させる」。また、「子どもの小便をバスの中や床にさせる事は大変不衛生で、可愛い子でも可愛くないと思ってしまう」・・・
確かに日本人の立場から見ると、子どもにオムツを使わないと、小さい子どもは自分の排泄をコントロールできるわけがないので、その小便はどこかで漏れるに決まっている。子どもも人間だから、その小便は臭いし、不衛生だし、他人に迷惑をかけている…等マイナスばかりと思われる。また、尻割れパンツを使うことは、中国の大人も子どもを何処でも排泄させているように見え、みっとも無い行為としか見られない。実は中国人は以上のように思っていない。
先ず、子どもにオムツを使い始めたのは90年代に入ってからのことです。当時日本のように全ての子どもを持つ家庭で使うのではなく、広州や上海などの大都会でしか使わなかった。今になってオムツを使う所が広がってきたが、何処ででも使ってないことは現実です。その理由の一つは値段にある。中国では、一枚のオムツは2元かかる、一日5枚使うと、一ヶ月150枚が必要になる。すなわち一ヶ月子どものオムツだけで300元かかる。しかし、今現在中国上海の一般職員の収入は毎月2000〜3000元、オムツを使うには無理がある。それでは、中国人は子どもにどんな「オムツ」を使うのか、それは一枚長方形の布である。布は柔らかく、吸水性も良く、季節によって厚い生地の布を使ったり、薄い生地の布を使ったりして、また寒くなるにつれて、何枚も一緒に使う。また、布は洗えるのでリサイクルで使える。布の場合、子どもが一回小便したらすぐ濡れるので、まめに交換することが必要になる。いちいちパンツを脱がせオムツを交換するのは、冷たい空気がお腹に入ってしまうので、漢方の世界では風邪を引きやすいと思われる。それを予防するために尻割りパンツを履かせる。子ども自分で小便する躾をさせるのはだいだい1歳半になる時である。その躾は夏で行うことが多い。理由としては、夏に着物が少ない、洗ったらすぐ乾く、そして、布のオムツのように沢山の尻割りパンツを準備しなくて良い。また、子どもは自己コントロールの力がまだ十分発達していないので、小便したいメッセージが脳に伝えた時にすぐにしないとズボンに漏れてしまう。尻割りパンツを履くとこの問題が解決できる。
上のように子どもは何処でも小便できると思われるかもしれない。中国の親はこの躾をさせるが、間に合わない時にその所でしても誰も文句を言わない。それは儒教の考えに根拠がある。「人之初、性本善」という儒教の考えがある、即ち、人間は生まれた時に汚れずきれいな善人である。その成長するにつれてだんだん悪いものを覚え、悪くなってくる。従って、小さい子どもの小便は汚くないという発想がある。当然何処で小便しても汚すことがないと考えられている。
最近、中国における経済発展により、国民の所得が増え、生活水準年々上がりつつある。子どもを持つ家庭のオムツに関するニーズも多くなってきている。しかし、貧富の差が相当存在しているため、布オムツを使う家庭もまだまだある。尻割りパンツも無くなることがないだろう。