スタッフ うづです。

さて、ブラジル映画祭2009が東京10/3(土) – 9(金)、大阪で10/10(土) – 16(金)に開催されます。 http://www.cinemabrasil.info/fcb2009/jpn/index.html

その中から、私が観た素敵な作品「ミステリー・オブ・サンバ – 眠れる音源を求めて」をご紹介。参加出来る方はぜひ!

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カロリーナ・ジャポール&ルラ・ブアンキ・デ・オランダ監督
「ミステリー・オブ・サンバ – 眠れる音源を求めて」。

今まで録音されていなかった1940 – 1950年代のサンバの名曲を辿るドキュメンタリー。

まず、サンバの表現の多様さに目を見張る。
私の持っていたサンバのイメージは、リオのカーニバルのキラキラの衣装を纏った女性と山車ぐらいだったのだ。

駅のベンチの背でリズムを取りながら、おじいさんが朗々とサンバを歌う。 歌が上手いとか、メロディが綺麗とか、そういう地平を突き抜けて、あぁ、これが彼の人生なのだ、と思う。

サンバの楽団のメンバー同士の駆け落ち、破局。
それすら曲となり、当の本人たちが楽団で歌う。
ろくでなしだった初めの夫との離婚、さらに酷かった次の夫との地獄の日々。 記憶はもはやからりと乾いて、笑い話となり、彼女はその掠れた声で歌う。

70歳はとうに過ぎ、もう80歳近いだろうおばあちゃん、おじいちゃんがサンバを歌い、サンバにあわせてなんとも楽しそうに踊る。 日々の営み、そして人生としてのサンバ。

幸せな映画だった。
歳をとって足元がちょっと覚束なくても、あんなふうに踊るおばあちゃんになりたいと心から思う。