2005年12月26日。津波から1年が経ったその日、JENの事業地南部ハンバントタ県でも、さまざまな追悼式典が行われました。また、津波犠牲者の冥福を祈るため、道沿いには白いろうそくが並べられ、あかりが灯されました。多くかけがえない命と幸せな生活を奪い去った津波は、1年たった今も人々の生活に深い傷跡を残しています。

 魚網作り活動に参加するジャヤティラカさん(46歳)は津波で妻を亡くしました。

 『妻は海岸沿いの朝市に出かけているときに、津波に遭いました。海岸に戻ってきて一日かけて、彼女の死体をあちこち探し回りました。やっと見つけた彼女の体は鉄パイプに巻きつけられていました。

 1年たった今も、あの時の気持ちははっきり覚えています。一生忘れられないと思います。その後、ずっと気がふさいでいましたが、JENの活動に参加して、少しずつ寂しい気持ちがまぎれるようになりました。新しい魚網技術を学ぶことができて、とても感謝しています。』

 津波の被害を乗り越え、新しい生活を築いていくにはまだまだ長い時間が必要です。スリランカの人々の生活再建は始まったばかりです。JENは2006年も、こうした被災者の人たちが、一日も早く元の生活を取り戻せるよう支援を続けて行きます。

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