JENが現在支援しているパルワン州チャリカ地区は、タリバン政権時代には数多くの国内避難民を出したことで知られています。とくにタリバンによる同地域への支配がピークに達したとき、当時北部同盟を率いていたマスード将軍を訪ねて一晩のうちにすべての人々が消えたとも言われております。当然、海外に逃げるだけの経済的余裕がなかった人々ですから、レンタカーならぬレンタ・ドンキーとも呼べるロバの力を借りて家財道具共々トボトボと歩いて避難したわけです。

 こうして命の恩人ともいえるロバの存在は、同地域の人々にとっては今も宝物です。重い荷を背負って文句を言わず、子どもらと共に働き、また温かいまなざしを人々に送り続けます。

 写真は私たちが掘った井戸の水を飲む微笑ましいロバの様子ですが、動物たちと生きる暮らしの豊かさを垣間見ながら、私たちの事業も人々の暮らしに溶け込みはじめていることを実感する今日この頃です。

アサヒコム「国際支援の現場から」 好評連載中!眠っている本が、学校に! BOOK MAGIC(ブック・マジック)