写真左の日本のパスポートと、右のイラクのパスポート、2つには大きな違いがあります。

 現在、日本のパスポートを見せて、入国やビザの取得が困難な国は、ほとんどないと言えるでしょう。一方、イラクのパスポートを携帯する人びとを歓迎する国がどれだけあるでしょうか。

 治安が悪化する中、国内外のより安全な場所へ避難するイラク市民は、毎月5万人に上ると見られます。隣国のヨルダン、シリアには、それぞれ50万人とも100万人ともいわれるイラクからの避難民が滞在しています。両国でも、イラクの人びとの入国、その後の滞在許可期間の延長、居住ビザの取得が非常に難しくなってきているようです。

 大勢の避難民が滞在期間を過ぎた後、違法な状態で隠れるように暮らしており、彼らの子どもたちの多くが学校に通えずにいるのです。避難民の増加は、受入れ国に多大な負担を強いますが、ヨルダンは先進諸国に受入れ国への支援を呼びかけています。