5月26日(金)の聚会(しゅうかい)では、「木の家に住むということ〜日本の伝統的手法により家づくりと森林の文化」というテーマで、きらくなたてものや代表の日高保氏に、日本の伝統的手法によって一軒の家ができるまでの課程を説明していただきました。
伝統的な建築というと、建物の構造や手法だけでなく、木の柱や漆喰の壁といった素材のイメージもあります。このような自然素材は取り扱いが難しく、日本の温暖多湿な気候ではカビやだらけになる可能性も高いため、特に木材は流通の過程で防カビ剤が塗布されることが多いそうです。
耐震構造やシックハウスが話題になる昨今、住環境は重大な関心事のひとつと言えますが、安心できる素材を使って家を建てることは、予想以上に大変であることがわかりました。
日高氏は、林業家、大工、左官屋、建具屋といったそれぞれの「つくり手」と建て主である「住まい手」を引き合わせ、互いに顔の見える関係をつくることで、安全で心地のよい住まいづくりを実践しています。
このような「住まい手」と「つくり手」の関係が当たり前になれば、耐震偽造やシックハウスといった問題もなくなるかもしれません。
実際、日高氏が手がけた建物の中にいると、呼吸が楽なので驚きました。つまり、普段いかに体に負担のかかる環境にいるかということです。
日高氏も言及していましたが、住環境はとても重要であり、家を建てることは人生の大イベントなのに、どちらも学校では習いません。
今回の講演をきっかけに、住まいに対する価値観を考え直す人が少しずつ増えていけばいいと思いました。