幼児のうたあそびクラスでは、毎回季節の歌を中心に歌っています。だから、去年と今年で内容はそんなに変わらないのですが、子どもたちは確実に成長していて、去年と同じ歌を歌っても、関わり方はずいぶん違います。今日はいつも感心していることをお話します。いつも始めに輪になって座り、「ちんぷんかんぷんどっちころりん?おえびすたのんでこっちころりん」と歌いながら羊毛でできた柔らかいボールを誰かのところに転がすのですが、大人が何も言わなくても、ちゃんとボールがみんなのところに周るように気を配り、まだもらっていない子のところへ転がすのです。こんなに幼いのに素晴らしい子どもたちです。また、1月はお餅にちなんだ歌を歌いますが、お餅をねらってやってくる手のひらに入るネズミさんを、唱え言葉を言いながら隣の子に回し、カゴメの要領で中にいるオニがどこにネズミさんがいるか当てる遊びもしました。こんな中で子どもたちは他人の声を聞くことや他人との関わりを身に着けていきます。
1,2年生クラスでは、3学期はペンタトーン・フルートで、ペア・アルボムという先生が子どものために作った「カッコーのうた」に取り組みます。3種類の鳴き声が出てきますが、1番難しい鳴き声は2年生が、1番やさしい鳴き声は秋からこの笛を持ち始めた1年生が担当します。月に1度しかないのに、2年生の進歩には目をみはります。このクラスでも、幼児クラスと同じように動きながら歌うことをしています。じっとして歌うより、動きながら歌うほうが歌が子どもの中にすっと入ってきます。何より、子どもたちの顔が嬉しそうに輝いています。
3,4年生クラスでは、いよいよペンタトーン・フルートの全ての音を使います。学校の笛とは違っても、全然問題なく吹いてくれるから感心します。この笛は息を深くする笛で、息が深いと長生きするよ、という話しをしました。ホントのことです。やはりペア・アルボムの「たいようのたいこ」という歌を歌ってから、アフリカのたいこジャンベとカリンバ、笛で「夜明け」を即興で表してみました。まだ模倣の力は残っていても、次の段階へと移行しつつある子どもたちとの試みです。笛の全ての音が使えるようになれば、もっと表現もふくらむでしょう。