きららの森 造形クラス 4月

[中・高学年造形クラス]
 永い人類の歴史の中で、人間がこの地球を外から眺めることができたのは、つい最近のことです。月へと旅立った宇宙飛行士たちは、その地球の姿に感動し、その体験は彼らのその後の人生に大きな影響を及ぼしました。忙しい宇宙船内外での作業の合間に、ふと地球に目を向けると、そこにはまるで生きているかのような青い生命の姿が、宇宙の闇の中で輝いています。
 子供たちと一緒に、世界地図とアポロ宇宙船が撮った地球の写真を比較してみました。世界地図の方には沢山の縦横線がひかれ、国の周りは線で囲われ、いろんな色で塗りわけされています。その一方、地球の写真から見えるものは、深い大洋の青と緑の大地、薄黄色の砂漠、氷の白い大地、そしてそれらすべてを包み込む大気のうねり。もしそれが写真でなく本物なら、全てがゆっくりと動き、変化していく様を見ることができるでしょう。
 本物の地球を前にした時、宇宙飛行士たちが共通して受ける体験というものがあるそうです。それは、その美しい有限の青い星に生きている人間たちが合い争い、戦争しているということか、いかに悲しくばかげているかということ。それが体験として強く感じられるのだそうです。もし、多くの人類がその体験を共有できるのなら、地球人としての広い意識は高まり、世の中は更なる発展へと向かっていくやもしれません。

造形クラス担当 細井信宏