12月12日、恒例のりんごろうそくが猪名川キャンプ場で行われました。
どの大人もテキパキよく働いて下さって、あっという間に礼拝堂がりんごろうそくの庭に
早代わり。キッチンからは早速美味しそうな匂いが漂い、屋外ではいつものようにカセットコンロの上でみつろうが甘い匂いを立てています。
授業の合間に子どもたちはめいめいろうそくを作り、りんごの芯をくり貫き、そのりんごをピカピカに磨きます。お母さんたちの作ってくださった、心と身体が喜ぶ美味しい食事をいただいたら、いよいよりんごろうそくの庭に入ります。
それまで外でサッカーやバスケットボールやなわとびや野球で元気に遊んでいた子どもたちも、真っ暗な部屋に入ると自然に静かになってきます。今年初めてのニングルのお話を聞き、真ん中のろうそくに火が灯ったら、ひとりずつりんごろうそくを持って緑のうずまきの中を歩いていきます。
音のないのもいいかもしれませんが、今年もやっぱりここでライアを奏でました。ライアの音は耳の聴こうとする範囲を広げてくれるような気がします。即興で子どもたちの動きを見ながら明るい調子のメロディをつなげていきました。空間の静けさに役立っていたら嬉しいです。
さて、全てのろうそくがついたところで音楽クラスの発表です。
今年は1・2年生はふだんやっていることを見ていただくことにしました。
笛を習い始めた子どもたちが、まず音の高さを聞き分けられるよう、小鳥になって練習してきました。真ん中の音(A)が聞こえたら小鳥はまっすぐ横に伸びた枝に止まります。
高い音(E)が聞こえたら空高く飛び上がります。低い音(D)が聞こえたら地面に下りて
エサを食べます。それから、「かりかりわたれ」の歌を音の高さに合わせて鳥がはばたくように動かしながら歌いました。そしてその歌を笛で吹きます。1年生は最初と最後のフレーズだけ、2年生は全部を吹きます。みんな真剣に一生懸命吹いていました。
子どもが真剣になると、凄い集中力を発揮します。ほれぼれする瞬間です。
3年生以上のクラスは、ペア・アルボムという人が作ったリズミカルな勇ましい曲を歌いながら登場です。手拍子・足拍子も入り、次にはジャンベ(アフリカの太鼓)とクラベスも加わっての合奏になります。歌をリコーダーに替え、打楽器と一緒に力強く演奏します。このリズムは音が伸びる所だけリズムを細かく打つという単純なルールなのですが、意外と難しくいい練習になります。次は去年練習していたドリア旋法を使った中世のクリスマスの曲「アレルヤ」を、やはり歌と笛で演奏します。合いの手に打楽器が入るのがポイントです。今年は二人の男の子が交代でジャンベとクラベスを担当し、打つタイミングを真剣にねらって見事に打ってくれました。最後に私とひとりのお母さんに手伝っていただいて、子どもたちのオスティナートに2声の旋律をつけました。華やかになったところでおしまい。出口でひとりずつ手づくりのプレゼントをいただきます。
再び小雨の降る中、外で元気に遊ぶ子どもたちでしたが、彼らの中に何か残るものはあるのでしょうか?残らないはずはない、と私は思います。都会に近いのにこんなに自然な環境の中で、1年で一番日の短い冬至の季節をこのように味わい、両親の暖かいサポートに支えられて、きららの子どもたちは幸せもんだな〜とつくづく思います。
願わくば、世界中の子どもたちがこんなふうに幸せにクリスマスを迎えてられますように! 今年もありがとうございました。
(中務 理美)