児童文学への招待『雪女』

何十年ぶりで、”文学の講義”に参加しました。
小泉八雲の生い立ち、妻 節さんとの生活、そして、「怪談」の誕生
今まで知り得なかった八雲の人となり・・・講義を受けた学生たちが
全員、一字一句たがわずノートを取ることができた綿密な講義構成。
長く語り継がれる文とは、余計なものを取り除いたエッセンスで
できている・・・等々、八雲について少々詳しくなっただけでなく、
いまどき流行の文章が少しも面白くなくて、どうしてかと悩んでいたのが、
先生のお話で納得!我が意を得たり!思わずほくそ笑んでしまいました。

ティータイムをはさんで、後半は参加者全員でディスカッション

なぜ、おゆきは幸福が壊れることを予測しながら、みのきちに告白を
うながしたのか・・・
深い深い人間の愚かさなのか?何故、告白をしてしまうのか?
思い切って発言したら、頬が紅潮してました。
アッという間の3時間、もっと語り合いたかったです。
次回も楽しみにしてます。これこそ、大人の ”学校”
これを経験しないなんてもったいない!!

学生にタイムスリップした 翔より

受講者アンケートから
 講座で一番心に残ったこと・・・
 ・沈黙の重さと告白の重さ K.M.
 ・単純な言葉が持つ力強さ C.S.
 ・単純ななぞこそ 永遠のなぞ
 約束をする。そこにはモラルが発生する。
 告白とは強烈な負荷の掛かること。 Y.M.

『児童文学への招待』 立野 正裕 (明治大学文学部教授 専攻:近現代英米文学)
われわれによく知られている世界の民話や昔話や説話には、長い年月のあいだに
民衆によって磨きをかけられてきた奥の深い知恵が蔵されています。
単純素朴な語り口の蔭に、それらの知恵が十分読み解かれないまま埋もれている
とすれば、たいそう残念なことではありませんか。
その知恵のありかを十分に心得たうえで、子どもたちに物語を語り聞かせ、
読み聞かせるならば、物語を読むことの楽しさを味わってもらうことができる
ばかりではありません。
同時に、古来の民衆の知恵の伝え方そのものを、
現代に生きるわれわれの「知恵」として、
子どもとともにおとなも楽しく学び取ることができるはずです。
すでに見慣れてきたもの、聞き慣れてきたものをとおして、
新たな発見と驚きとを経験する。
これほど豊かで深い経験をわれわれに可能にするものはありません。
魔法昔話の世界には、今でもその発見と驚きの秘密を秘めた財宝が、
ほとんど手つかずのまま われわれの冒険を待って眠り続けているのです。

あなたは『雪女』のお話に、どんな思い出を持っていますか?

アブラ 編