児童生徒による暴力行為、過去最多の6万件

児童生徒による暴力行為、過去最多の6万件
11月30日20時8分配信 読売新聞

 文部科学省は30日、全国の小中高校を対象にした「2008年度問題行動調査」の結果を発表した。

 児童生徒による暴力行為は、前年度から約13%、7000件増の5万9618件と過去最多を更新。器物損壊を除く暴力では4件に1件は被害者がけがをして医療機関で治療を受けており、感情を抑制できずにけがを負わせるような子どもの暴力の実態が浮かんだ。

 調査は、文科省が都道府県教委を通じて実施。暴力行為の内訳は小学校6484件、中学校4万2754件、高校1万380件。学年別でみると、公立の中2(1万5732件)が最も多く、データが比較可能な1997年度以降、初めて同中3(1万4748件)を逆転した。

 形態別では、子ども同士の暴力が3万2445件で最多。教師に対する暴力も8120件あった。今回、病院で治療を受けたケースを初めて調べた結果、1万664件に上った。

 一方、学校が把握できたいじめの件数は約8万4648件で、最悪だった06年度(約12万5000件)からは3割減った。この中で、携帯電話や学校裏サイトを通じた「ネットいじめ」は4527件。ただ同省は「学校がいじめを見逃している可能性がある」としている。自殺は136人と前年度比で23人減。いじめとの関係が疑われたのは3人で、半数を超える73人は「原因不明」とされていた。 .最終更新:11月30日20時8分