迫害や恐怖、孤独感…難民たちの思い描く 上智大で絵画展始まる
2007年12月11日
日本で暮らす難民らが描いた絵画展=千代田区で
世界人権デーの十日、上智大(千代田区紀尾井町)で、難民申請者らによる絵画展「日本の難民の今」が始まった。アムネスティ・インターナショナル日本が、日本で暮らす難民たちの不安定な状況を知ってもらおうと開催。十四日まで。
同展では、イランやミャンマー、トルコなどから逃れた約十人の難民申請者らが約三十点の作品を展示。
「小さいころから真実が言えない」として口がファスナーになっている子供の絵や、軍人が本を踏みつけている漫画など、母国での迫害を訴える。同時に、日本で難民申請が認められずに不法滞在者として収容された際の恐怖や孤独感を描いた作品も多い。法務省によると、昨年一年間に難民認定を申請した外国人は九百五十四人と過去最多だったが、認定者数はわずか三十四人。難民条約を批准している他の国々と比べて極端に“門戸”が狭く、困難な手続きなどが問題視されている。
ミャンマーから逃れた男性(33)は、茨城県牛久市の東日本入国管理センターに収容されていたときに描いた一枚を展示した。おぼれている人を見て見ぬふりする漫画で「難民問題に知らないふりするのではなく、困っている人がいることに目を向けてほしい」と話した。
同展は午前九時半から午後五時まで。入場無料。問い合わせはアムネスティ・インターナショナル日本=(電)03(3518)6777=まで。 (中山洋子)
(東京新聞12月11日)