http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090623-00000027-mai-soci
<外国人研修生>死亡例急増 過労死の可能性で調査要求
6月23日10時32分配信 毎日新聞
外国人研修制度で働いている研修生や実習生が死亡するケースが急増し、08年度は過去最高の34人(07
年度比13人増)に上ったことが、財団法人・国際研修協力機構(JITCO)の調査で分かった。特に長時間
労働が原因とされる脳・心疾患は16人で07年度の6人と比べ2.5倍以上になった。外国人研修生問題弁護
士連絡会は22日、「過労死の疑いもある」として厚生労働省に長時間労働の実態や労災の受給状況などの調査
を求めた。
外国人研修制度を推進するJITCOが受け入れ企業からの報告をまとめた。死亡者数は04年度に初めて2
0人を超えていた。08年度の死亡者34人のうち、急性心筋梗塞(こうそく)やくも膜下出血など脳・心疾患
が16人を占めた。作業中の労災が5人、自殺が1人。92年からの調査で死者は総計213人、このうち脳・
心疾患は67人に上る。
外国人研修生問題弁護士連絡会に寄せられる相談では、月100〜200時間の残業をしているケースが多い
という。月100時間の残業は、過労死の危険性が指摘されるラインで、指宿昭一弁護士は「経済の悪化を背景
に研修・実習生に過重労働のしわ寄せがきている。脳・心疾患の多くが、過労死の疑いがあるのに労災申請もで
きずにいるケースではないか」と分析する。
弁護士らと厚労省を訪れた中国の実習生、丁建輝さん(35)は溶接の研修で訪日したが、都内のスクラップ
工場で働き、月に100時間以上の残業をしている。丁さんは「背中や心臓に痛みを感じ命の危機を感じる時も
ある」と話した。厚労省は連絡会に「パンフレットなどで労災防止キャンぺーンをしている」と答えるにとどま
ったという。
JITCOは「死亡者急増は極めて残念な事態で、結果を踏まえセミナーなど労災防止対策を強化したい」と
話している。【東海林智】