外国人住民の定住化の背景には国際結婚、中国帰国者による家族の呼び寄せ、 日系人のUターン、難民の定住化など多様な状況があります。 そして、その中には 「外国籍〜」というだけでは括れない、多民族・多文化な 背景をもつ子どもたちの存在があります。子どもたちは、日本語や教科学習支援 などのサポートや、母語・母文化喪失に対するケアなど様々なサポートを必要と しています。そこで県央地域周辺に住む「外国につながる子どもたち」の置かれ ている状況や、支援者の方々の課題などを共有し、今後の取り組みについて共に 考える集いを持ちたいと思います。すでに関わりのある皆様、ボランティアに少 しでも関心のある皆様の参加をお待ちしています。
■日 時:2010年1月30日(土)13:30〜16:30
■場 所:プロミティあつぎビル8階AB会議室
(最寄駅:小田急線「本厚木」駅)
1.基調講演 講師:王慧槿
(多文化共生センター東京代表)
「外国につながる子どもたちへの支援がなぜ必要なのか」
子どもたちの状況、地域でできること、たぶんかフリースクールの紹介等
2.地域の支援団体による活動紹介
より具体的な実践事例から、各団体の活動の様子や課題を共有し今後の取り組みについてかんがえる
・TICC(TokaiInternationalcommunicatonclub)
・上智短期大学家庭教師ボランティア
・上村由紀(厚木市日本語指導協力者)
・モニカの仲間
・ともしび日本語教室
■対象:一般、県央地域でのボランティアや外国籍住民、子どもの支援に関心のある方、また、すでに関わりのある方
■定員:先着50名
■参加費:無料
■申込み:
次の3項目を明記の上、来館(あーすぷらざ1F受付)、TEL、FAX、E-mailのいずれかでお申込みください。
①氏名
②所属(あれば)
③連絡先(電話番号・メールアドレス)
■問合せ:
情報サービス課(担当:いしだ)
TEL:045-896-2896 ※祝日除く月曜休み
FAX:045-896-2945
E-mail:kikaku@k-i-a.or.jp(件名は「外国につながる子どもの支援ボランティアセミナー」でお願いします。)@マークは小文字に変換してください。
特定非営利活動法人 多文化共生センター東京
代表 王慧槿(わん ふいぢん)
2001年多文化共生センター東京発足と同時に同センター代表。都立高校で教諭を経て現職。多文化共生教育研究会副会長。各区の国際交流協会、進路ガイダンス等にて教育相談を行い、外国にルーツを持つ子どもたちの教育問題に携わる。 『東京都23 区の公立学校における外国籍児童・生徒の実態調査報告 VOL.1・2・3・4』共著(多文化共生センター・東京21発行)、『多文化パワー社会ー多文化共生を超えて』共著(明石書店)
多文化共生センター東京は、日本語・教科の学習支援、多言語進路ガイダンス、教育相談など、外国にルーツを持つ子どもたちへの教育事業を中心に、子育て支援等のファミリーサポート事業、人材育成や情報提供など多文化共生を広める事業を行っている。2005年には、学校に入りたくても、入れる学校がなかった15歳以上の学齢超過の子どもたちの日本語と教科の学習機会と居場所を提供し、より早い時期に高校に進学できるよう「たぶんかフリースクール」を立ち上げた。
TICC(Tokai International Communication Club)
東海大学チャレンジセンター推進室を母体として学生が2006年から自主的に行っているプロジェクト。拠点は湘南キャンパス。大学内の留学生だけでなく地域の外国人や外国人児童、留学生を対象に、言語面だけでなく生活面や精神面をサポートし、それらを通して”真の国際交流”を学ぶことを目指している。主な活動に、秦野市内の小中学校に通う外国人児童・生徒への学習または日本語の教育支援、校内の留学生と昼食の時間を通して交流を行う「コミュニケーションランチ」がある。そのほか、在日外国人に必要な生活支援の冊子作成や、交流会、セミナーなど、年間を通してのイベントも頻繁に行っている。TICCの今年のスローガンは ”Friendly”。国際交流だけでなくメンバー間の交流も大事にしている。
上智短期大学家庭教師ボランティア
1987年2月に秦野市在住のカンボジア籍市民が地域社会の中で孤立した結果、家族を殺害する事件が起きた。この事件 を契機に設立された日本語教室「東南アジアの人々と共に歩む会」に学生もボランティア教師やベビーシッターとして 自主的に参加し、その中で、子どもたちの家庭に通って学習支援を行う「家庭教師ボランティア」の組織が生まれた。秦野市、伊勢原市、厚木市、平塚市の学習者の自宅、または公民館などで学習支援を行っている。学習日は、平日17時〜19時、週1 回〜3回、1対1または、家族や友人と一緒にグループで勉強できる。内容は日本語や教科学習支援、 受験対策など多岐にわたる。
上村由紀
1953年鳥取県生まれ。3歳の時、家族でブラジルへ移民。26歳の時、ブラジルで結婚した厚木出身の夫と2人の子ども とともに帰国。その後、メキシコ(5年)、台湾(3年)に夫の転勤で滞在。1991年から日本語指導協力者として、厚木市の小・中学校でスペイン語とポルトガル語を母語に持つ子どもたちに日本語を教えている。1992年から、厚木日本 語ボランティアの会の会員として、週一回5人の仲間と日本語を教えている。2003年から厚木市外国籍市民懇話会の会 員。2008年から、県立愛川高校の非常勤講師として、ブラジルにルーツを持つ子どもにポルトガル語を教えている。
モニカの仲間
1993年5月に、綾瀬市教育委員会の要請により発足したグループ。当時、綾瀬市には沢山の外国籍の方が来日し住んで おり、言葉の問題、生活の問題、さらに子どもの教育の問題が大きな問題となっていた。そこで教育委員会が、子ども 達を支援できるボランティアを社会福祉協議会に依頼し、そのコーディネートにより、地域にモニカの仲間を立ち上げ、 活動を開始した。以後16年間、子ども達の支援を行っている。地域では毎月第2、第3土曜日の午前中、寺尾いずみ 会館で、中学校では、毎週1回、放課後の時間に教科を中心に学習支援を行っている。
ともしび日本語教室
日本語ボランティア教室「モニカの会」の夜の部として活動していた会が独立し、2007年から「ともしび」として活動 を始める。対象者は綾瀬市在住または在勤の外国籍の方々、または、外国につながる子ども達。13名の指導ボランティ アで運営。金曜日の夜19時〜21時に綾瀬市の寺尾いずみ会館でクラスを開催。初級・中級・上級の3クラスに分かれ、 現在は各クラス10〜 15名程度。そのほか、年1回開催される綾瀬市主催のスピーチ交流会に参加し、日本語スピーチ を披露したり、年1回程度、指導ボランティアと供に近郊を観光し交流の機会を設けている。また、綾瀬市のほかの日 本語教室や学習者とも交流を図っている。