2013年がはじまりました。
今年も、多文化共生センター東京をよろしくお願いいたします。

さて、新年と同時に、たぶんかフリースクールは受験シーズンを迎えます。
2週間の休みを過ごした子どもたち。
その間はあまり日本語を使っていなかったのか、初日はちらほらと初歩的ミスが。
今日はウォーミングアップのような一日になってしまいました。

が、そうも言ってられないのがこの季節。
放課後も残って、面接のための練習帳を作ります。
面接で想定される問題を集めた冊子を前に、考えこむ生徒たち。
「長所」「短所」などはじめて聞く日本語ばかり、
ましてや今まで考えてもこなかったことです。
先生方と何度もやり取りしながら、「自分のこと」を日本語で書いていきます。

この問題集は日本で中学に通っている子を想定したものがベースになっています。
そのため問題には「高校生がアルバイトをすることをどう思いますか」というものも。
その問題に取り組んでいたタイ出身の男の子は、「いいと思います」と答えました。
「どうしていいと思いましたか?」と問うと、彼はこう答えました。
「アルバイトをすると、将来、仕事をするときにいいです。
それにお父さんお母さんはいつもたくさん働いています。
お父さんお母さんが疲れた時、助けることができます」

彼のご両親はタイ料理屋で働いていて、面談も休憩時間に駆けつけてくるほどの忙しさ。
そんなご両親の姿を見ている彼は「働くこと」について自然に考えるようになったのでしょう。

模範回答は「高校生は勉強に専念できるようにアルバイトはしないほうがいいです」
けれどこの答えも、彼がしっかりと自分の考えを伝えられた立派な「回答」です。

一緒に取り組む私たちにとっても時間も手間もかかる「面接練習帳」ですが、
生徒たちの新たな一面を発見したり、答えに感心したりする楽しい時間でもあります。
2月23日の一般受検まで1ヶ月半、
日本語でしっかり「自分のこと」を伝えられるように、ひたすら練習です。