ちょっとさかのぼった話題ですが……。
1月25日は初天神でした。我が街の天神様といえば、亀戸天神。
というわけで、その初天神に行ってきました。

これが亀戸天神。
JR総武線亀戸駅から徒歩10分。
この写真は、ここの名物にもなっている太鼓橋の上から撮っています。
周りにあるのは藤棚。4月から5月の藤の季節は、ここが紫色で染まります。
ちなみに、映画「男はつらいよ」で、寅さんがマドンナを振る(←振られるんじゃなくて)という、シリーズ史上珍しいシーンが撮影されたのが、ここです。

天神様といえばこれ。梅鉢の文様です。
落語ファンの方なら、「あ〜あれか」と思うでしょう。「狸さい」ですね。

というわけで、実は天神様は落語とは非常に縁が深いところ。
もっとも有名な落語が、その名もずばり、「初天神」という噺でしょう。
父親と連れ立って初天神におまいりに行った子供が、立ち並ぶ屋台の前で、父親に「あれ買ってくれ、これ買ってくれ」とせがむ噺です。

「狸さい」に「初天神」。落語の気分を思いっきり味わえますよ!

で、亀戸天神の名物といえば、これ。「鷽替え神事」。
縁起物の木彫りの鷽を、新しいものと取り替えます。

去年買った鷽は、こうして、奉納します。
なかなか、味のある風習じゃないかな〜と思います。
どこが?というわけではないですが。

ただ、どうも人が少ないのが、さびしい。
昭和30年代、砂町に住んでいた俳人の石田波郷が「大方は 鷽売り切れし 日和かな」と詠んでいるように、かつては、大変ににぎわった行事でした。

それが今は、鷽が売り切れることも、雑踏の中で子供が親に、「あれ買ってくれ、これ買ってくれ」とせがむ風景もなさそうです。

天神様といえば地元の神様の元締めのような存在。
なんかその初天神がひっそりとしているのはどうもさびしい限りです。

やはり、これがどんなに地元にとっては大切なものなのか。
たかが縁起物とはいえ、それが地域にどれだけ役立ってきたかは、改めて掘り起こして、記録する必要があるでしょう。

というわけで、次号「すなしま」では、この天神様を含めた、亀戸の散策特集をやってみたいと思います。単なる紹介だけでなく、ディープな物語を掘り起こすつもりですので、乞うご期待。
これが、来年の初天神の活性化につながりますように!

ちなみに写真は、私が買ってきた鷽です。来年まで、我が家の守り神にします。