砂町銀座紹介その4。
明治通り側の入り口に近いところにある靴屋「シューズスタジオGLUCK」は、ただの靴屋ではありません。
ある人たちにとってはなくてはならない、頼れる靴屋さんです。

ご主人は、ドイツの整形靴の技術を取得したシューマイスターという資格を持っています。
どんな資格かというと、足を正確に計って、その人の体に合わせて靴を調節できるというものです。
リウマチや糖尿で歩行困難になった人、障害のために足の長さが違う人たちが、関東一円から集まってきて、ここで靴を調整してもらいます。
「歩けなかった娘が元気に運動会で走っています。ありがとうございました」。そんな手紙が、元気に走っている娘さんの写真とともに、届くようです。

どんな靴があっているのか、まずはお客さんの足を計るところから始まります。
紐の結び方、中敷の厚さ等を調整して、靴をその人の足に合わせてくれます。
私も、アドバイスを受けましたが、紐の結び方と中敷を変えただけで、いつも履いている靴が、足にぴったりとフィットして、歩きが軽くなったような気がしました。

まさしく、職人技、ですね。

店を一緒に切り盛りする、娘さんは、フットケアを実施中。
足の爪やウオの目を処理してマッサージまでしてくれるサービスを行っています。
「いらっしゃいませ〜」という元気な声が印象的な、砂町娘。
こういう人が、次世代の砂町銀座を支えるんでしょうね。

実は、この店は普通の靴屋さんでした。
今でもこの店の向かいで営業している、マツミヤさんです。
しかし、これからの時代は靴屋でも何か差別化が必要だということで、ご主人が資格を取り、こういう店をオープンしたそうです。

ちなみに、昭和50年代の朝日新聞に、砂町銀座を紹介した記事を見つけたのですが、その中で、ここのご主人は、「いつも賑わっている商店街といえども、これからの時代はそれだけではダメ。安い商品だけでない、別のソフトを提供しないと、商店街は難しい」とコメントしていました。
その時代にそのことに気づいて、それを実行してきた姿勢、すばらしいですね。

余談ですが、ご主人は落語好き。
「すなしま寄席」にも来てくれます。
4日の日にも、お会いできるとうれしいです。