今年の熊手は、いろいろ考えるところがあって、このくらいの小さいやつにしました。

で、先週の金曜日のことだけど……
夕方まで家で仕事をして、池袋で開かれるシンポジウムに参加するため、5時ごろ家を出る。
駅に着いたときに、携帯を忘れていることに気がつく。
どうしよう、取りに帰ろうか……と思ったが、駅から我が家は徒歩15分、かなり面倒だ。
まあ、金曜日の夕方だし、仕事の連絡も来ないだろうから、今日は携帯もってなくてもいいか、と思ってそのまま出かける。

参加したシンポジウムは、有意義な話が聞けたのと、いい出会いがあったことで大変満足だった。
しかし、その間、どうしても落ち着かない。
「仕事で緊急の連絡が入っていないだろうか」「なんか重大な事件でも起こっていないだろうか」。
いろいろ想像が膨らむ。
夜遅く帰るといっていた家内が、急な予定変更で早く帰ってきて、夕食の支度をして待っているかも……
いい仕事のオファーが入ってきているのに、携帯がつながらないのでほかの誰かに回ってしまった……
家で小火が出ていて、管理人さんが携帯に連絡してくれたのに、つながらない……
田舎で誰かが事故にあっているかも……
と、果てしなく悪いことばかりが思い浮かぶ。
そして、「何で携帯に連絡しているのに、出ないのよ!」という、いろんな人の声が頭の中をめぐる。
とにかく、早く帰って携帯の着信と留守録をチェックしなければ!

考えてみれば、情けない話だ。
たかが6時間、携帯がそばにないだけで、これだけ気持ちが落ち着かない。
いつから、こんなに携帯に支配されるようになってしまったのか!
大体、携帯なんかあるから悪いんだ!
休みの日にも仕事の連絡が入ってくるし、いつでも誰かと連絡を取り合っていなきゃならない。
だいたい、仕事でも遊びでも、誰かと面と向かって話しているときに、携帯がなると、今目の前にいる相手を無視して、携帯の相手と話をすることが、失礼でもなんでもなくなってきていることが、おかしいじゃないか!
と、携帯電話の存在そのものについて怒りながら、11時過ぎにようやく家にたどり着いた。

よし、これで安心だ。
これから着信と留守録をチェックして、私と連絡を取りたがっていた人と話をするぞ!
そう思いながら、携帯を見ると、着信はゼロ件。
その時すでに家に帰っていた家内も、「へ〜携帯ここに忘れてたんだ、ぜんぜん気がつかなかった〜」。
携帯電話の存在の前に、自分の存在を疑った。

そんな、一週間前のことを思い出しながら、熊手の写真を、携帯で撮ってみました!