とがびプロジェクト2006について

戸倉上山田中学校の中平千尋です。多くの方々が「とがびプロジェクト」を大切に考えてくださること。とてもありがたく感謝の気持ちで一杯です。ありがとうございます。
「とがびプロジェクト」は、着実に成果を積み重ねてきました。2004年の1回目は、生徒にとってどんな内容なのかわからず、与えられた内容をこなしていた感じでした。私自身もどんな成果がでるかわからず、手探りでした。
そして2005年の2回目。ここで最も大事にしたのは、生徒のモチベーションをいかに高めるかということでした。実際、1回目のとがび終了後の生徒の感想は賛否両論でした。おもしろかったという感想と、あまりおもしろくなかったというもの、半々でした。おもしろくなかったという感想の中身を探ってみると、自分が呼びたい作家ではなかったといった原因に突き当たりました。
その反省に立ち、私個人としては生徒に出会わせたい作家の方は沢山いましたが、生徒の呼びたい作家の参加にしぼりこもうと決心し、昨年2005年の「とがび」はそのようにさせていただきました。
生徒自身でメディアを使って作家を捜しました。私自身もいろんな作家さんを紹介したりしましたが、押しつけられたと感じては良くないので、そう感じないようなかたちで協力していきました。
その甲斐あって、生徒が主体的に制作に協力したり、お客さんに丁寧に作品解説したりと、1年目からの成長が見られるようになりました。ここが「とがび」が教育的である要因の一つであると思うのです。
そして3回目の今年2006年ですが、今年は生徒も中学3年生ですので、「とがび」全体のテーマを設定し、自分たちの好みはあるけれども、それを越えてテーマを実現でき、お客さんにも楽しんでもらえるような作家さんを集めようと提案するつもりです。従って、イラストレーター系が多かったとの指摘がある昨年のように、表現ジャンルが偏ることはないと思います。
そこが中学3年生の学びの場です。また、戸倉上山田の地元作家を招くという企画が出てくることも想定しています。
今年は、大きなテーマに「戸倉上山田」を設定し、3年生選択美術の作品作りも「戸倉上山田」をテーマに表現させようかなと思っています。参加作家の皆様にも、できれば長く滞在して頂き、戸倉上山田の良いところをアートの形で表現していただければ、多くの地元の方々、アートと関係ない方々も見に来られるでしょうし、結果としてそれが「町作り」にもつながっていくかもしれません。
地元の素材を使うことが重要と考えています。地域に中学生が出ていって、地元の人に、「とがび」がどれだけおもしろいかを説明したいですし、そうしたかたちで地元を巻き込むことが、結局は中学生への評価となって帰ってくれば素晴らしい学習になると思います。
「とがび」を更に充実させるため、あらゆる努力をしていきたいと考えています。
皆様よろしくお願い致します。

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