美術教育の未来像〜アカデミックvs造形遊び

中平です。先日、教科書会社の方が来校され、刻々と変化する美術教育の現状について話をする機会がありました。
以前にもこのブログでも掲載したことがありますが、現在の図工美術教育の最大の問題点は、小学校の高学年でも実施されるようになった造形遊びという領域についてだと思います。小学校の学習指導要領には、低学年のみならず高学年でも造形遊びが、必ず行わなければならない領域として規定されていますが、ほとんど美術専門の教員が一人もいない学校が多い中、混乱の原因になっているのが「造形あそび」であると感じています。
その造形遊びが、教科書会社の方によると、「将来なくなるらしい」といううわさがあるようです。あくまでうわさなのではっきりはしませんが、そういう話が学会などで出ているようです。
今学会での議論は、アカデミックな教育か、造形遊び的教育かに終始しているようです。私としては、「アカデミックも、遊びも両方やtればいい」と考えています。まさに戸上中での考えはそうです。ピカソにしても、アカデミック信奉者は、「高度なデッサン力があったから、キュビスムが生まれた」と言いますが、確かにそれも正しいですが、遊び的要素とアカデミック両方あったからこそだと思います。両方やればいいんじゃないという議論になぜならないか、疑問です。
写真は、昨年戸上中の「触ると気持ちいい石鹸」という授業の生徒作品です。