レポート・とがび2006/都梨恵「七色風船夢風景」

門脇です。「とがびアート・プロジェクト2006」、お疲れ様でした。あっという間の2日間でした。
今日から「とがび」に参加した私の個人的な視点による「とがびレポート」をお送りいたします(間違いや不適切な表現などあればご指摘ください)。

今日は京都から参加の都梨恵さんの「七色風船夢風景」。「とがび」の最後を飾る風船飛ばしは本当に印象的でした(写真参照)。
展示教室を訪れると、ヘリウムガスをつめた風船がところせましと浮かび、天井に頭をつけています。風船はひもで結んであって、そこへ鳥の羽のかたちをした色とりどりのいろがみがついています。羽は床にも敷き詰められ、には訪れた人が書き込んだ夢が書かれていました。

夢をたくさん身につけた風船は、2日間にわたって戸倉上山田中学校の校庭から放たれました。風船の中には花の種が入っており、また風船が水に溶ける材質であることから、飛び立った夢は、やがてどこかで花咲くことになる、というわけです。
特に「とがび」2日目は風もなく、晴れ上がった空は本当に美しく、人々の手を離れた透明の風船は、ゆっくりと編隊を組んで東の空へと消えていきました。

しかしこれが単なる楽しいイベントでないのは、都さんの過去作品に、避妊に関して何らかの考えをもつ人の息を吹き込むことで制作された数百におよぶコンドームの作品があることからも明らかでしょう。私には大空を行くひもつきの風船が、無数の精子のようにも見えました。そしてそれは白昼堂々と、中学生の手を借りて行われたパフォーマンスなのです。深読みのしすぎでしょうか。

(コメント:門脇篤