中平です。先日の金沢での懇親会でも話題になったことは、「図工美術の時数削減問題です。それに対する全国の先生方の努力には並々ならぬものがあり、頭が下がる思いです。時数はないよりは、あったほうがいいと私も思います。しかし、今の美術教育に最も必要なことは、時数を増やすということなのでしょうか。私は、「夢」だと思います。
こういってしまいますと、どこか非現実的な印象があるかもしれません、。しかし、世の中の出来事を見ていると、「夢」を持っている人間や企画などが一般の方々から支持されていることがわかります。
例えば、べたな例えですが、ディープインパクト。ディープインパクトはなぜ人々から愛されているのかといえば、夢を持たせてくれるからです。競馬の楽しさを素人の私にも感じさせてくれるから人気があるのです。
教育現場の話題で考えてみます。剣道や柔道など武道の部活に子どもを入れたいと考えている親は、なぜ武道をさせようと考えるのかというと、強くさせたいというよりは、礼儀正しい人や優しい人になって欲しいという「夢」を持っているからだそうです。長野市には、世界バレーの国際試合が行われています。長野市という弱小地方都市に、トップレベルの選手を呼んでくる体育科やバレーの先生たちはすごいと思います。小中学生に夢をみさせることができます。
このぐらいの努力をしてこそ、美術教師は、世の中に「時数を増やせ」と言っても良いのではないでしょうか。われわれ美術教師は、子どもやおとなに「夢」を抱かせるような実践をしていますか?もっと大事なことは、教師が美術教育に夢を持っているのでしょうか?夢を持っていないのに、生徒や保護者が期待することのほうが不可能なのではないでしょうか。われわれ美術教師は、夢を持ちましょう。「こんなことできたらいいなあ」と夢想するのです。教師の中には、そういった夢を非現実的なこととして、非難する人も居ます。これは悲しいことです。長野市に世界バレーを呼ぼうという誰かの発想も、みんなでばかにしたら今実現はしていないはずです。美術についての夢をもっと持ちましょう!